第106話 裸のイブ 徒然草9

文字数 723文字

□女は髪が美しく愛らしいのが、人に目立つようであり、人の程度や心遣いなどは、言葉を口に出していう話し声や雰囲気にこそ、御簾ごしに知ることができる。ことにふれて、ちょっとした様子でも人の心を惑わし、すべての女が、うちとけて寝もしない、身を惜しいとも思わず耐えがたき耐え忍び、ただ美しさを思うからである。まことに、愛情にとらわれ、物事に執着しすぎる、その根は深く、源も遠い。色、声、香、味、触、法の六塵の欲望多しといえども、皆これを厭がり離れて去って行くだろう。その中にただこの愛着の惑いはやめるのが難しい、老いも若きも、智恵ある者も愚か者も、変わることがないように見える。されば、女の髪の毛をよって作った綱には、巨象もよくつながれ、女の履いている下駄で作った笛には、秋の鹿が必ず寄ってくると言い伝えられている。自ら戒めて、恐るべき慎むべき物は、この惑いなのである。
※男に取って女の人の色気は老いも若きも賢者も愚者も、この惑いだけはどうしょうもない。兼好先生ですら髪が綺麗で、容色がよく、可愛い女性は、夜目遠目、笠ノ内、御簾の中、想像力をかき立てられるのでありましょう。老いたる爺様が若い娘を見て鼻の下が長くなる。老いたる婆様は若い男を見て鼻の下が長くはならないのですか?男だから女性の気持ちは分からないですが、若い頃は女の人は清潔な天使様に違いないと憧れて居ました。人間も所詮は、動物の一種ですから、気取った所で本性はかわらないのです。雄は雌を追っかけ、性交を挑む。西洋の宗教では、禁断のリンゴをイブが食べ、アダムに与える。禁断を犯した二人は、裸を恥ずかしく思い。天国から追放され、死ぬ運命となり生きている間、苦役を強制されたと物語られている。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み