第214話 表彰式(1) Prize‐giving Ceremony

文字数 1,136文字

 その頃、東京ディズニーランドでは、全選手がステージに上っていた。表彰式が始まるのだ。選手の後ろにはスタッフが一名ずつ付いた。スタッフは選手にタブレットを渡す。渡し終わったところで、クリケットが説明を始めた。
「それではこれより、選手の方々には、マン・オブ・ザ・ナイトを決定していただきます。誰が一番活躍していたか。この称号は、各選手が、他チームの選手に一票ずつ投票することによって決定いたします。ただし、優勝チームだけは、自分のチームの選手に投票することもできます」
 タブレットには全選手の名前が書かれている。選手それぞれが名前のボタンを押すと、スタッフたちはタブレットを持って、ステージ横に設立されたテントへと戻っていった。
 先ほどまでスタッフしかいなかったステージの下は、少しずつ人数が増えてきている。現在は五十人近い。選手の付き添いで来ていた関係者たちだ。試合中は不正がないようにクラブ13に軟禁状態で観戦していたが、終わったので、スタッフに誘導されてきたのだ。
 真言立川流の信者が六人。リリウス・ヌドリーナり構成員が三人。オポポニーチェの使用人らしき老人。フォーとシザーに似ている大男。サングラスとスーツで決めているのは、ダビデの星のメンバー五人だ。すぐ後ろには、頭一つ大きいミハエルの姿もある。
 その中から、二人の男性がステージに上ってくる。五十代の眼鏡をかけた日本人は、フリーメイソンリー日本グランドマスター、竹田真也だ。隣にいる浅黒い肌の六十代の男性は、ザ・ゲーム委員会名誉会長、カラカウア王である。ちなみに、クラブ13での解説は、彼ら二人がおこなっていた。小声で打ち合わせをした後、クリケットが叫ぶ。集計が終わったのだ。
「お待たせしました! それでは、結果発表をさせていただきます! まずは、皆様の予想から。スクリーンをご覧ください!!」最後の仕事だ。気合が入っている。
 巨大スクリーンには、四回戦が始まる前の結果予想が映し出された。

 最終結果予想
1位 黄金薔薇十字団
2位 リリウス・ヌドリーナ
3位 ダビデ王の騎士団
4位 真言立川流

 客は重い思いに試合について振り返っている。
「続いて、最終結果です!!

 総合順位
1位 リリウス・ヌドリーナ 54点 ↑
1位 ダビデ王の騎士団   54点 ↑
3位 黄金薔薇十字団    52点 ↓
4位 真言立川流       5点 -

 代表決定戦
 タンザ(リリウス・ヌドリーナ)  1.5倍○
 エスゼロ(ダビデ王の騎士団)   5倍 ×

「以上を持ちまして、優勝は、リリウス・ヌドリーナに決定いたしました!!
 試合は終わった。
 大歓声。ノーサイドだ。客も選手もない。全員がただただ楽しみ、惜しみのない敬意を贈っている。
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