第140話 試合結果 Result

文字数 1,609文字

 ワイアヌエヌエ・カジノは更なる興奮の坩堝に包まれている。今回の結果が発表されるからだ。巨大スクリーンには、汗をかいているクリケットの上半身が映った。
「それでは、3回戦の結果を発表いたします!!
 先ほどまで見ていた試合だ。大体わかっている。予想屋の発表も出ている。
 それでも、客は全員、スクリーンに釘付けだ。誰も声を発さない。
「まずは最下位からです。圧勝ムードに大ブレーキ。今回はいいところが一つもありませんでした。獲得得点は0点。リリウス・ヌドリーナ!」
 客は、騒ぐ人と点数の計算をする人で半々くらいだ。クリケットは反応に満足した。
「第3位。逆襲の1本! 黄金薔薇十字団から尻尾1本で5点。一矢報いました! 真言立川流です!」
 1階で拍手が起きる。健闘を称える拍手だ。もはや彼らに賭けている客など1人もいないだろう。
「よかったですね」解説席でも客と同様、健闘を称える3人の拍手が響いた。
「続いて第2位! 真言立川流から鈴1個で3点。黄金薔薇十字団から尻尾1本で5点。獲得得点は8点! ダビデ王の騎士団!」
「ついに上がって来ましたね」クーはフタバの機嫌を取ろうとした。
「いやいや。2位以下は全て負けたようなもんだろ」そうはさせじとマックス・ビーが割り込む。
 フタバは苦笑いをした。
 クリケットの発表が続く。
「第1位。これは驚愕の内容になりました! 真言立川流の鈴2個で6点、リリウス・ヌドリーナから3個で9点、ダビデ王の騎士団から3個で9点、オポポニーチェの尻尾で5点。獲得得点は驚異の29点! ダントツの1位は、黄金薔薇十字団です! そして今回のMVP。こちらも文句なしで、オポポニーチェが獲得しております!!
 客はこの発表を待ち望んでいたのだ。歓声が爆発する。
「いやー。まさか、こんな展開になるとは思いもよりませんでしたね」クーが2人に聞く。
「うむ。戦術次第で試合が一気に動く。これがCTMの面白いところだな」マックス・ビーが感心した顔でうなづく。
「うん。真言立川流も個人的に見るとそんなに弱くないもんね」フタバも笑顔で返す。
「それでも全体的に見ると、大きく点差は離されています。賭けをするお客さんにも難しいザ・ゲームになってきましたねぇ」クーは内心嬉しかった。難しいゲームほどより盛り上がる。
 スクリーンには、左半分に3回戦開始前の予想と倍率、右半分に結果と点数が表示された。

3回戦順位予想
1位 リリウス・ヌドリーナ 2.3倍
2位 黄金薔薇十字団    2.4倍 ○
3位 ダビデ王の騎士団   4.2倍
4位 真言立川流      10.8倍

3回戦MVP予想
1タンザ     (リリウス・ヌドリーナ)
2オポポニーチェ (黄金薔薇十字団)   ○
3ビンゴ     (リリウス・ヌドリーナ)
4ラーガ・ラージャ(ダビデ王の騎士団)
5エスゼロ    (ダビデ王の騎士団)
6カンレン    (真言立川流)
7ボルサリーノ  (リリウス・ヌドリーナ)
8イノギン    (ダビデ王の騎士団)
9カンショウ   (真言立川流)
10ジャクジョウ (真言立川流)
11フォー    (黄金薔薇十字団)
12シザー    (黄金薔薇十字団)

総合優勝予想
1位 リリウス・ヌドリーナ
2位 黄金薔薇十字団
3位 ダビデ王の騎士団
4位 真言立川流


3回戦結果。20分13秒。
1位 黄金薔薇十字団    鈴3点×8、尻尾5点×1、合計29点。
2位 ダビデ王の騎士団   鈴3点×1、尻尾5点×1、合計8点。
3位 真言立川流           尻尾5点×1、合計5点。
4位 リリウス・ヌドリーナ            合計0点

MVP オポポニーチェ・フラテルニタティス(黄金薔薇十字団)

現在順位
1位 黄金薔薇十字団    52点 ↑
2位 リリウス・ヌドリーナ 41点 ↓
3位 ダビデ王の騎士団   28点  -
4位 真言立川流       5点 -
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