第119話 試合予想 Prediction
文字数 1,914文字
3回戦の開始時間が迫ってきた。ワイアヌエヌエ・カジノの巨大スクリーンには、ホーンテッドマンションの前に集合する選手たちの姿が映っている。
「さあ。3回戦の最終ベットが終了いたしました。倍率を見てみましょう!」クーがスクリーンを指さすと、画面の左半分が3回戦の最終予想へと変わる。
現在総合得点
1位 リリウス・ヌドリーナ 41点
2位 黄金薔薇十字団 23点
3位 ダビデ王の騎士団 20点
4位 真言立川流 0点
3回戦結果予想
2黄金薔薇十字団 2.4倍 ○
4ダビデ王の騎士団 4.2倍 △
3真言立川流 10.8倍 ×
1リリウス・ヌドリーナ 2.3倍 ◎
3回戦MVP予想
1タンザ (リリウス・ヌドリーナ) -
2オポポニーチェ (黄金薔薇十字団) ↑1up
3ビンゴ (リリウス・ヌドリーナ) ↓1down
4ラーガ・ラージャ(ダビデ王の騎士団) ↑1up
5エスゼロ (ダビデ王の騎士団) ↑3up
6カンレン (真言立川流) ↑1up
7ボルサリーノ (リリウス・ヌドリーナ) ↓1down
8イノギン (ダビデ王の騎士団) ↓4down
9カンショウ (真言立川流) -
10ジャクジョウ (真言立川流) ↑1up
11フォー (黄金薔薇十字団) ↓1down
12シザー (黄金薔薇十字団) -
最終結果予想
1リリウス・ヌドリーナ
2黄金薔薇十字団
3ダビデ王の騎士団
4真言立川流
カジノの客はご機嫌だ。人生に一つも心配事がないかのように、最大限の感情で人生を楽しんでいる。感情を押し殺して生きることが好きな日本人には考えられない光景だ。
「さて、お二人とも。この賭け率、いかがでしょうか?」階下を眺めながら、クーは2人の解説者に話を振った。
「俺は今回、2回戦で戦慄の活躍をしたGRCがトップに来るかと思っていた。だが、いやはや。ヌドランゲタの人気は根強いな」マックス・ビーは短髪の頭をひと撫でした。
「1回戦のインパクトは異常でしたからね」クーがうなづく。
「でも見てよ。個人でエスゼロが5位に急浮上してきたよ」フタバがスクリーンを指差す。
「あのオポポニーチェから鈴を奪いましたからねぇ」
「まぐれでな。それにイノギンは8位に下がってるぞ」マックス・ビーが毒づく。
本当はゆっくりたっぷり予想を聞きたい。だが、時間がない。クーは、早くもまとめに入ることにした。
「お二人は、どちらが勝つと予想しますか?」
「うーむ。戦闘力の高いヌドランゲタか。それとも謎の多いGRCか。迷うところだな」マックス・ビーがスクリーンを睨む。
「GRCはオポポニーチェ一強で、フォーとシザーがあまりにも弱いんだよね」フタバも迷う。
「けれども、実力を隠しているのかもしれませんよ」時間がないというのに、ついクーは話に乗ってしまう。
「ほんとそれ」フタバも同様だ。それくらい今回の試合は目が離せない。
「まあでも、今回は、ルール変更までして自信をのぞかせているGRCが勝つ気がするな。そうでなければ、ルールを変更したいはずがない」マックス・ビーは短い時間で、自分の意見を簡潔にまとめた。
「でも、そのルールをあえて受けたヌドランゲタの自信を考えてみてよ。プライドが、彼らの野望を打ち砕くかもしれないよ」フタバは意地悪い目でマックス・ビーをいじる。
「おっ、フタバさん。今回はダビデ王の騎士団ではなく、リリウス・ヌドリーナが勝つと予想するのですか?」クーが驚きの表情で質問をする。
「いやぁ。おいらぁ、やっぱ、KOKが勝つと予想しちゃうよ。なんせ、おいらの推薦したチームだしさ。なんせファンなんだ」フタバは頭をかきながら答えた。
「ということは、」ダビデ王の騎士団はどこに勝算を見出せるのかを聞こうとしたところで、委員会のタイムキーパーが「時間が巻け」と急かしている姿が目に入った。タイムアップだ。
「いや、失礼いたしました。それでは、まもなく3回戦が開始されます! 勝つのはネズミチーム、黄金薔薇十字団か。それとも今まで通り、今回もリリウス・ヌドリーナが踏みにじるのか。フタバさん推薦チームのダビデ王の騎士団がいよいよ本領を発揮するのか。真言立川流の逆襲はあるのか。3回戦は、戦局を大きく左右する一戦になる。それだけは間違いありません。それでは、現地に中継を繋ぎましょう。ミスター・クリケット!」
選手たちの状況を映していたスクリーンは、カメラの隣で出番を待っていたクリケットへと視線を移した。3回戦が、いよいよ開始される。
「さあ。3回戦の最終ベットが終了いたしました。倍率を見てみましょう!」クーがスクリーンを指さすと、画面の左半分が3回戦の最終予想へと変わる。
現在総合得点
1位 リリウス・ヌドリーナ 41点
2位 黄金薔薇十字団 23点
3位 ダビデ王の騎士団 20点
4位 真言立川流 0点
3回戦結果予想
2黄金薔薇十字団 2.4倍 ○
4ダビデ王の騎士団 4.2倍 △
3真言立川流 10.8倍 ×
1リリウス・ヌドリーナ 2.3倍 ◎
3回戦MVP予想
1タンザ (リリウス・ヌドリーナ) -
2オポポニーチェ (黄金薔薇十字団) ↑1up
3ビンゴ (リリウス・ヌドリーナ) ↓1down
4ラーガ・ラージャ(ダビデ王の騎士団) ↑1up
5エスゼロ (ダビデ王の騎士団) ↑3up
6カンレン (真言立川流) ↑1up
7ボルサリーノ (リリウス・ヌドリーナ) ↓1down
8イノギン (ダビデ王の騎士団) ↓4down
9カンショウ (真言立川流) -
10ジャクジョウ (真言立川流) ↑1up
11フォー (黄金薔薇十字団) ↓1down
12シザー (黄金薔薇十字団) -
最終結果予想
1リリウス・ヌドリーナ
2黄金薔薇十字団
3ダビデ王の騎士団
4真言立川流
カジノの客はご機嫌だ。人生に一つも心配事がないかのように、最大限の感情で人生を楽しんでいる。感情を押し殺して生きることが好きな日本人には考えられない光景だ。
「さて、お二人とも。この賭け率、いかがでしょうか?」階下を眺めながら、クーは2人の解説者に話を振った。
「俺は今回、2回戦で戦慄の活躍をしたGRCがトップに来るかと思っていた。だが、いやはや。ヌドランゲタの人気は根強いな」マックス・ビーは短髪の頭をひと撫でした。
「1回戦のインパクトは異常でしたからね」クーがうなづく。
「でも見てよ。個人でエスゼロが5位に急浮上してきたよ」フタバがスクリーンを指差す。
「あのオポポニーチェから鈴を奪いましたからねぇ」
「まぐれでな。それにイノギンは8位に下がってるぞ」マックス・ビーが毒づく。
本当はゆっくりたっぷり予想を聞きたい。だが、時間がない。クーは、早くもまとめに入ることにした。
「お二人は、どちらが勝つと予想しますか?」
「うーむ。戦闘力の高いヌドランゲタか。それとも謎の多いGRCか。迷うところだな」マックス・ビーがスクリーンを睨む。
「GRCはオポポニーチェ一強で、フォーとシザーがあまりにも弱いんだよね」フタバも迷う。
「けれども、実力を隠しているのかもしれませんよ」時間がないというのに、ついクーは話に乗ってしまう。
「ほんとそれ」フタバも同様だ。それくらい今回の試合は目が離せない。
「まあでも、今回は、ルール変更までして自信をのぞかせているGRCが勝つ気がするな。そうでなければ、ルールを変更したいはずがない」マックス・ビーは短い時間で、自分の意見を簡潔にまとめた。
「でも、そのルールをあえて受けたヌドランゲタの自信を考えてみてよ。プライドが、彼らの野望を打ち砕くかもしれないよ」フタバは意地悪い目でマックス・ビーをいじる。
「おっ、フタバさん。今回はダビデ王の騎士団ではなく、リリウス・ヌドリーナが勝つと予想するのですか?」クーが驚きの表情で質問をする。
「いやぁ。おいらぁ、やっぱ、KOKが勝つと予想しちゃうよ。なんせ、おいらの推薦したチームだしさ。なんせファンなんだ」フタバは頭をかきながら答えた。
「ということは、」ダビデ王の騎士団はどこに勝算を見出せるのかを聞こうとしたところで、委員会のタイムキーパーが「時間が巻け」と急かしている姿が目に入った。タイムアップだ。
「いや、失礼いたしました。それでは、まもなく3回戦が開始されます! 勝つのはネズミチーム、黄金薔薇十字団か。それとも今まで通り、今回もリリウス・ヌドリーナが踏みにじるのか。フタバさん推薦チームのダビデ王の騎士団がいよいよ本領を発揮するのか。真言立川流の逆襲はあるのか。3回戦は、戦局を大きく左右する一戦になる。それだけは間違いありません。それでは、現地に中継を繋ぎましょう。ミスター・クリケット!」
選手たちの状況を映していたスクリーンは、カメラの隣で出番を待っていたクリケットへと視線を移した。3回戦が、いよいよ開始される。