第九章 ⑯
文字数 719文字
なってしまいました。
「どうしようか?この後……」と
思案しました。
どっかに引っ越して、新しい仕事を
見つけようか……。
でも、私は思いました。
「いや、店は辞めたけど、わざわざ、
こっちがマンションまで引き払って
逃げ出す必要なんかないわ!
きっちり、あのクズには、落とし前を
つけさせてやる!!」と。
私をイジメぬいてくれたフィリピンの
クズ女共と、同等のクズ野郎の平戸や、
そして、店長と店のスタッフたちに
対する怒りが燃え上がります。
クズの堪り場の店を辞めて、良かったと
本当に思いました。
でも、このまま、平戸に負けっぱなしで
終わりにはしたくなった!
このまま、泣き寝入りはしたくなかった!
私は、決心しました。
警察へ行く、と。
私は、運転手さんに伝えました。
「すいません。やっぱり、近くの警察に
行ってもらえますか?」。
運転手さんは、一転二転する私の指示に
驚いていましたが、電話の通話を聞いて
いて、いろいろ察してくれていたので
しょう、静かに、「分かりました。
はい、新宿はやめて、近くの警察ね……」
と言って、すぐに転回してくれました。
そして、運転手さんは、私の方を
振り向いて、「交番じゃなくて、警察署で
良いかい?
この通りをもうちょっと行ったら、
阿佐ヶ谷中央警察だから」と言ったのです。
私は、「はい。そこで降ろしてください」
と答えました。
ほどなくして、私の乗っていたタクシーは、
阿佐ヶ谷中央警察署の前に着きました。
安心しました。
意外と私のマンションの近くだと、
分かったからです。
相談が終ったら、すぐに家に帰れると、
思いました。
私は、運転手さんに料金を支払い、
意を決して、警察署の中に入って行った
のです…。
(著作権は、篠原元にあります)