第十七章 ⑥
文字数 1,569文字
よ~く分かります。
この第十七章⑥は)
で、新婚夫婦2人の『愛の巣』……
もとい、『新居』は。
もともと義時が住んでいた、
義牧が「マッチ箱」と呼んだアパートの
部屋ではなくて。
そこから程近い、で、【会傘の庄】にも
さらに近くなった、小さな池に隣接した
アパートだった。その部屋は、若い夫婦が
引越しで春頃出ていき、そして、義時達の
ため、義牧が、誰も入居させずにして
おいてくれた…。真子は、でも、初めて
見た時、思ったものだ。「子どもが、
落ちないように、子どもがうまれて
大きくなったら気をつけないとな」
今日から、自分も、いよいよ、
ここが、『住居』になる。
ここの住人になる。
そして、いすみ市民かぁ。
真子は、新居の前で、車を降りて、
不思議な感じだった。
それと、新鮮な感じ。
「今日から、この部屋で、家事に
励むんだ!」
自分を奮い立たせながら、結婚指輪を
見つめた。
で……。
新婚夫婦は。
まぁ、義時の方は、2か月前から移り
住んでいたけど。
妻は、今日からなので…。
二人で、隣の部屋とかに挨拶に。
義牧から言われたので、計5部屋に
なったけど。
真子は、ホッとした。
日曜日なので、みんな、いてくれた
から……。
あとは、どの部屋も、自分たち同じ感じの
若い夫婦。で、子どももいるみたい。
だから、自分たちが、いざ子育て開始
したときも、大丈夫だ。
義時と真子は、それから、103号室に
……、自分たちの部屋に入って、
スタートした。
夫婦で『初めて』の、新居での『共同作業』
を。
そう。
妻が、もともと住んでいたマンションから、
引越し業者に運んでおいてもらっていた
荷物の山の。
荷ほどき作業を。
1階の角部屋。
窓からは、太陽のサンサンとしたあかりが
……。
それに、ちょっと腰を上げれば、池も
眺められる。
その時…。
新妻は、「ウン?」と、気づいた。
え、うそ……!?
カーテンは???
手は動かしなら、夫に尋ねてみる。
考えられない返事が戻って来る。
「え、あるじゃん。それ……」
でも、それは、レースカーテン。
ドレープカーテンは!?
夜は、どうするの!?
新妻は、訊いたけど、夫は、夜も
それで大丈夫だと言う。
「俺、ずっと、これで、夜も
やってきたんだから。
別に、気にならないし、外からも
見えないよ」と言い張る。
でも、そんなのあり得ない!
それに、気になるし。
外から覗こうと思えば、いくらでも
レースカーテンなら……。
新妻は、荷ほどきよりも、『優先』
すべき課題を見つけて……。
2人で、店に出かけることに。
運転する彼は、しきりに、「もったい
ない!アレで、用は足りるのに」と
つぶやいてたけど、ここは、引くつもり
はない。
と言うより、もし、ドレープカーテンを
つけないと彼が言い張るようだったら、
夫婦の大事な営みもナシにしてやる
……と真剣に考えていたのだった。
その日の夜は。
ある程度は、予想通り、完了した
けれど。
新妻は、「90%位かな」と考えた。
荷ほどき、カーテンのオーダー、夕食。
で、後片付け。
まぁまぁ、順調ね。
風呂にはいっている義時のため
布団を整えながら、真子は、考える。
「明日……。ご祝儀の確認とかも
しないとなぁ。あ、あと……」
アレもコレもまだだった。
まだまだ忙しいなぁ、と溜息が。
そんな真子の耳に、風呂場から、
義時の『能天気』な鼻歌が……。
はぁ…。
今日は早く寝よ。
そう、思う。
それに、ちゃんとしたカーテンも
ついていない。
そう。ちゃんとしたカーテンを用意
してくれてなかった。
もう、今日は、「そういうことナシで
早く寝よう」と、パジャマ姿の新妻は
決めたのだった……。
(・著作権は、篠原元にあります
・4月もよろしくお願いします!
皆さんにとって最高で、素敵な
新学期、新社会人生活…となると
良いですネ!
真子たちも、新居での生活をスタート
させました。
これからも、どうぞ、よろしくお願い
いたします! )