第107話

文字数 245文字

『一来は自分で、鋭いもので指を切っていたって』

「自分で?!」

稜佳が大きな声をあげ、そっと周りを見回しました。公園に溢れている白玉ドリンクを片手に持った少女たちの視線を避けるように、顔を寄せてきました。

「一来くん、やっぱり紅霧に騙されているんだよ、きっと!」

『うーん。そうだとしても、一来がそうするだけの理由があるはずだよ。誰かさんと違って、一来は物ではつられないだろうしねーっ』と、稜佳に向かって首を思い切り傾げてみせました。

「もー、ちびアイラ! 反省しているってばー! このこのこのー!」
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