第1話
文字数 434文字
「早く行って、ブラック・フラーミィ」
デジャヴ。今日もまた、マスターのセリフは昨日とも一昨日ともまったく同じです。違うのは、肌寒い天候のせいで、マスターが制服に学校のジャージを羽織っているところだけでしょうか。
ダサい緑色のジャージは全く気に入りませんが、たとえ私の趣味に合わなくともマスターの着る服を私もまとわなければならないのが、影の辛いところです。
『フラーミィではなく黒炎 です』
「あなたの真名 を教えてくれたら、ちゃんと呼んであげるわよ」
『私の真名はコキュ……』
私は言いかけた言葉を、すんでのところで飲み込みました。危ない危ない…。うっかりコキュートス・ダークナイトという真名を漏らしてしまうところでした。真名を取られたら、まったく逆らえなくなってしまいます。真名だけは絶対に守り抜かなければ!
「あら。引っかからなかったわね」
『たまにはご自分で列に並んではいかがですか?』私は冷たく言い放ちました。
「お願い、フラーミィ。精命 がたっぷりの長-い髪、あげちゃうよ?」
デジャヴ。今日もまた、マスターのセリフは昨日とも一昨日ともまったく同じです。違うのは、肌寒い天候のせいで、マスターが制服に学校のジャージを羽織っているところだけでしょうか。
ダサい緑色のジャージは全く気に入りませんが、たとえ私の趣味に合わなくともマスターの着る服を私もまとわなければならないのが、影の辛いところです。
『フラーミィではなく
「あなたの
『私の真名はコキュ……』
私は言いかけた言葉を、すんでのところで飲み込みました。危ない危ない…。うっかりコキュートス・ダークナイトという真名を漏らしてしまうところでした。真名を取られたら、まったく逆らえなくなってしまいます。真名だけは絶対に守り抜かなければ!
「あら。引っかからなかったわね」
『たまにはご自分で列に並んではいかがですか?』私は冷たく言い放ちました。
「お願い、フラーミィ。