第105話
文字数 445文字
「うーん、どうして一来くんは、鏡に入って影と入れ替わらないのかな?」
気を取り直した稜佳が聞きました。マスターは眠りから引きずり出されたばかりのように、二、三回目をしばたきました。
「そういえば、そうね。稜佳は府川虎とお揃いのアクセサリーが欲しくて、鏡に入っちゃったのにね?」
「ちょ、ちょっとアイラちゃん。さりげなく毒吐かないでよー」稜佳は恨めしそうに口を尖らせました。
『稜佳、まあコレでも飲みなよ』と言って、こっそり横取りしていたヨーグルトとぷちっとレモン味の白玉ドリンクを稜佳の手に押し付けます。
「ちびアイラー! ちびアイラは優しいねぇ」
取られた白玉ドリンクを返されただけということに気が付いていない稜佳が、抱きついてきました。稜佳の髪から精命が香り、ついうっかり、髪の毛を一本いただきます。
「痛っ」稜佳が小さく悲鳴をあげました。人差し指で頭をカリカリとかきます。
「お行儀が悪いわよ、フラーミィ!」すかさず、マスターの叱責が飛びました。バレてしまいました。今の今まで、放心状態だったのに。
気を取り直した稜佳が聞きました。マスターは眠りから引きずり出されたばかりのように、二、三回目をしばたきました。
「そういえば、そうね。稜佳は府川虎とお揃いのアクセサリーが欲しくて、鏡に入っちゃったのにね?」
「ちょ、ちょっとアイラちゃん。さりげなく毒吐かないでよー」稜佳は恨めしそうに口を尖らせました。
『稜佳、まあコレでも飲みなよ』と言って、こっそり横取りしていたヨーグルトとぷちっとレモン味の白玉ドリンクを稜佳の手に押し付けます。
「ちびアイラー! ちびアイラは優しいねぇ」
取られた白玉ドリンクを返されただけということに気が付いていない稜佳が、抱きついてきました。稜佳の髪から精命が香り、ついうっかり、髪の毛を一本いただきます。
「痛っ」稜佳が小さく悲鳴をあげました。人差し指で頭をカリカリとかきます。
「お行儀が悪いわよ、フラーミィ!」すかさず、マスターの叱責が飛びました。バレてしまいました。今の今まで、放心状態だったのに。