第52話
文字数 785文字
稜佳がスプーンでカウントするように空中をたたきながら、「確かにフラーミィは背もすごく高いし、イケメンだし。髪は赤茶色に金色のメッシュが入っていて、それだけでもかなり目立つよね。その上、ツルンと光沢があって袖が膨らんでるシャツ着ている人なんて、見たことないよ」と言いました。
『シルクです。肌触りがとてもいいのですよ』
ちびアイラの顔で、上目遣いに見上げて微笑むと、稜佳は「天使……っ」と呟くと、ソファにぼふんと倒れ込みました。一来は稜佳の様子に首をすくめました。
「そういえば……、ずっと気になっていたんだけど、フラーミィの姿の時にお腹に巻いてるものは何?」
『コルセットですよ』
「へえ……。どこか外国の貴族みたいだよね。確かにフラーミィの姿だと目立ちすぎるか」
一来はようやく納得したようにブリュレパフェに取りかかりました。
「ちびアイラ、可愛くお話してよー」
稜佳がニューヨークチーズケーキをフォークに乗せ、「はいっ」と手渡してきました。
――ふーむ。面倒ですが、その方が自然かもしれませんね――
『うん。わかったよ。ありがとう、お姉ちゃん』
フォークを受け取って小首をかしげると、細い髪がさらりと肩からこぼれおちました。
「か、可愛い~!」稜佳が抱きついてきます。
本当に人間というものは、見た目に騙されやすいですね。私はフォークを口に運びました。チーズケーキを飲み込んでしまっても、まだ目の前に稜佳の髪があったので、ついでに一本引っ張って抜き、試食しました。
「痛っ! な、なに?」
「あ、ごめんね、袖のボタンに髪がひっかかっちゃったみたい」
すぐにごまかしたのですが、稜佳が髪の抜けた部分をコリコリ、と引っかいたせいでマスターにばれてしまいました。
「フラーミィ……。お行儀が悪いわよ!」
見つかってしまったものは仕方ありません。マスターの叱責はいつものことと聞き流しました。
『シルクです。肌触りがとてもいいのですよ』
ちびアイラの顔で、上目遣いに見上げて微笑むと、稜佳は「天使……っ」と呟くと、ソファにぼふんと倒れ込みました。一来は稜佳の様子に首をすくめました。
「そういえば……、ずっと気になっていたんだけど、フラーミィの姿の時にお腹に巻いてるものは何?」
『コルセットですよ』
「へえ……。どこか外国の貴族みたいだよね。確かにフラーミィの姿だと目立ちすぎるか」
一来はようやく納得したようにブリュレパフェに取りかかりました。
「ちびアイラ、可愛くお話してよー」
稜佳がニューヨークチーズケーキをフォークに乗せ、「はいっ」と手渡してきました。
――ふーむ。面倒ですが、その方が自然かもしれませんね――
『うん。わかったよ。ありがとう、お姉ちゃん』
フォークを受け取って小首をかしげると、細い髪がさらりと肩からこぼれおちました。
「か、可愛い~!」稜佳が抱きついてきます。
本当に人間というものは、見た目に騙されやすいですね。私はフォークを口に運びました。チーズケーキを飲み込んでしまっても、まだ目の前に稜佳の髪があったので、ついでに一本引っ張って抜き、試食しました。
「痛っ! な、なに?」
「あ、ごめんね、袖のボタンに髪がひっかかっちゃったみたい」
すぐにごまかしたのですが、稜佳が髪の抜けた部分をコリコリ、と引っかいたせいでマスターにばれてしまいました。
「フラーミィ……。お行儀が悪いわよ!」
見つかってしまったものは仕方ありません。マスターの叱責はいつものことと聞き流しました。