第55話
文字数 394文字
「私とバンドを組んで、文化祭の後夜祭で歌ってください!」
勢いよく下げた頭がテーブルにオデコがぶつかり、食器が跳ねました。そして、そのままの姿勢で返事を待っています。
「稜佳ちゃんは軽音部だったよね」
続く沈黙に耐えかねて、一来がアイラに押し付けられたブリュレパフェから顔をあげて確認しました。
彌羽学園には大きな講堂があり、文化祭では様々な部活動がステージで発表を行うのですが、軽音部は後夜祭でライブをするということなのでしょう。
「後夜祭なんか、軽音部のお仲間と出ればいいでしょ? どうして私が出ないといけないのよ」
マスターがほっぺたを膨らませました。ほとんど断っている口調ですが、「イ・ヤ」以外の言葉を初めて言われた稜佳は嬉しそうです。
「だってゴシックメタルやってくれる子、いないんだもん」
「ゴスメ……?」
初めて聞くに値する単語を聞いたというようにマスターは口の中で呟きました。
勢いよく下げた頭がテーブルにオデコがぶつかり、食器が跳ねました。そして、そのままの姿勢で返事を待っています。
「稜佳ちゃんは軽音部だったよね」
続く沈黙に耐えかねて、一来がアイラに押し付けられたブリュレパフェから顔をあげて確認しました。
彌羽学園には大きな講堂があり、文化祭では様々な部活動がステージで発表を行うのですが、軽音部は後夜祭でライブをするということなのでしょう。
「後夜祭なんか、軽音部のお仲間と出ればいいでしょ? どうして私が出ないといけないのよ」
マスターがほっぺたを膨らませました。ほとんど断っている口調ですが、「イ・ヤ」以外の言葉を初めて言われた稜佳は嬉しそうです。
「だってゴシックメタルやってくれる子、いないんだもん」
「ゴスメ……?」
初めて聞くに値する単語を聞いたというようにマスターは口の中で呟きました。