第185話
文字数 553文字
「アイラちゃん、よかったね!」稜佳が笑顔をマスターに向けました。
「あ、あの時は稜佳が飛び出しちゃったから、仕方なく」
「えーっ! 私のためだったのぉ?! ありがとう、アイラちゃん」
稜佳がアイラに抱きつこうと両腕を伸ばすのを手で払いのけ、マスターはムキになって反論します。
「ち、ちがうわよ! あの子達にイラついたからよ」
「はいはいっと」
稜佳は満足げな顔で聞き流し、取り箸を手に取って鍋に手を伸ばしました。
「ちょっと、聞きなさいよ」
慌てるマスターの様子が面白いので、追い打ちをかけます。
『あの時の、アイラの回し蹴りが役に立ったね! 空振りだったけど』
ほらアレ、というように、人差し指で空中を指差していいました。
「ちょっと! フラーミィが空振りさせたんじゃないっ!」
「なになに? 回し蹴り? そんなことがあったの? 詳しく教えてよ」
その場にいなかった一来が興味を示し、体を乗り出してきました。
「一来までそんなこと言って! 一来だって『助けて~』って泣きべそかいていたじゃない! そうだ。思いだした。帰ってきたらお仕置きするんだったわよねえ』
マスターは両手でカニ、カニと指を曲げ、猫目を吊り上げる。ようやく攻撃に転じるきっかけをつかまえたので、マスターはまるで舌なめずりでもしそうな顔で一来に詰め寄りました。
「あ、あの時は稜佳が飛び出しちゃったから、仕方なく」
「えーっ! 私のためだったのぉ?! ありがとう、アイラちゃん」
稜佳がアイラに抱きつこうと両腕を伸ばすのを手で払いのけ、マスターはムキになって反論します。
「ち、ちがうわよ! あの子達にイラついたからよ」
「はいはいっと」
稜佳は満足げな顔で聞き流し、取り箸を手に取って鍋に手を伸ばしました。
「ちょっと、聞きなさいよ」
慌てるマスターの様子が面白いので、追い打ちをかけます。
『あの時の、アイラの回し蹴りが役に立ったね! 空振りだったけど』
ほらアレ、というように、人差し指で空中を指差していいました。
「ちょっと! フラーミィが空振りさせたんじゃないっ!」
「なになに? 回し蹴り? そんなことがあったの? 詳しく教えてよ」
その場にいなかった一来が興味を示し、体を乗り出してきました。
「一来までそんなこと言って! 一来だって『助けて~』って泣きべそかいていたじゃない! そうだ。思いだした。帰ってきたらお仕置きするんだったわよねえ』
マスターは両手でカニ、カニと指を曲げ、猫目を吊り上げる。ようやく攻撃に転じるきっかけをつかまえたので、マスターはまるで舌なめずりでもしそうな顔で一来に詰め寄りました。