第9話
文字数 469文字
「私でさえフラーミィの真名を知らないのに、昨日会ったばかりの人間になーに教えようとしているのよ!」
マスターはツインテールが踊り狂うのも気にせずに、私を狙ってバンバン地面を踏み鳴らしました。
『マスター、言いませんから落ち着いて……』
「言おうとしてた!」
『うっかり口を滑らせそうになっただけじゃないですか。では一来。私のことは黒炎 、言いにくければ、ブラック・フラーミィとお呼びください』
私は小さなつむじ風を巻き起こし、その中心に私自身の姿を現しました。
190センチを軽く超える長身に、ブラックフォーマルに糊のきいたまっ白なシャツ。黒い手袋をはめた右手を胸元にあて、軽く腰を折ります。
「フラーミィって……めちゃめちゃかっこいいんだね」
一来はズボンで右手を何回もこすってから私に差し出しました。私が一来の手を握ろうとすると、マスターが間に割り込んできました。
「さあさあ、もう自己紹介は済んだかしら?」
「ああ、うん。それじゃ、また……」
一来が宙に浮いたままの手を困ったように下ろし、立ち去ろうとすると、マスターが一来の前に走り出ました。
マスターはツインテールが踊り狂うのも気にせずに、私を狙ってバンバン地面を踏み鳴らしました。
『マスター、言いませんから落ち着いて……』
「言おうとしてた!」
『うっかり口を滑らせそうになっただけじゃないですか。では一来。私のことは
私は小さなつむじ風を巻き起こし、その中心に私自身の姿を現しました。
190センチを軽く超える長身に、ブラックフォーマルに糊のきいたまっ白なシャツ。黒い手袋をはめた右手を胸元にあて、軽く腰を折ります。
「フラーミィって……めちゃめちゃかっこいいんだね」
一来はズボンで右手を何回もこすってから私に差し出しました。私が一来の手を握ろうとすると、マスターが間に割り込んできました。
「さあさあ、もう自己紹介は済んだかしら?」
「ああ、うん。それじゃ、また……」
一来が宙に浮いたままの手を困ったように下ろし、立ち去ろうとすると、マスターが一来の前に走り出ました。