あらすじ　だいたいのキャラクター

【あらすじ】

２０２１年、２５区高校の早妃は吉田ミョウに出会う。
部活から追い出された彼女は４月から彼に会いに行くようになった。遠足、期末試験、学校行事を終えていくなか、早妃は吉田ミョウがすでに事故死した話を聞くが、学校での唯一のよりどころを失わないために見て見ぬふりをした――。
祖先を迎え入れる盆、観光バスが暴走をし多数の死人を出す冷夏事件が起きる。
それを切り口に朱、獣…と謎が浮かび始めた――。
8月、９月…１２月と多くの犠牲と戦いを果たし、朱の勢力は虫の息となった。もはや神官も代行者も必要ないほどに状況は安定したのだが、朱、蒼、新世紀と不明な言葉や繋がりが多く、不安を重ねた神官は救済の代行者の一人、メアリーに巡回の任を与えるが…



舞台

【五十ノ島】
五島と呼ばれることがおおい。海にぽっかり浮かぶ離島であり人口は四万人も満たない。
電車どころか映画館すらないため学生のほとんどが島外に出る。

【浅界】
月の女王シネスティアが治めるあの世。
死んだ人たちの魂を整理整列させ天国行きか地獄行きかの業務を行う。
四神官もここが職場。

【深界】
惑星の妃セイが治めるあの世の裏側。
死を認めず、拒絶した魂があの世に行かずに辿り着いたオアシス。
そこに喜びも楽しみもなく、また悲しみや寂しさもない。



キャラクター

〈２５区高校〉

【吉田ミョウ】
高校三年生。朱い瞳が魅力ポイントと自負
福栄シンゾウことシンに無理やり押し入り、勝手に生徒会をつくった者。
言葉は丁寧だが、ときおり意味が分からない発言やそれに見合わない乱暴な気質を見せる。

【早妃カズミ】
高校二年生。静かに寝たい、片目が朱い
部活の方針についていけずよく追い出される女子生徒。
外で一人夕焼けを見ているところを吉田ミョウに誘われた。
冷夏事件で片目を失明し、両親を亡くし、１２月に幼き友人を失った。
亡き姉を待ち受け画面に設定するなど、過去への思いは強い。

【福栄シンゾウ】
高校三年生。
成績優秀の生徒会長。吉田ミョウに振り回される苦労人
夏ごろに水死体で発見
１１月に吉田ミョウと交戦
中学時代と比べて友人思いの生徒へとなった

【三尾アヤカ】
高校二年生。虫嫌いなのに蟲になった女
成績優秀の副会長。早妃カズミの幼なじみ
虫が嫌いな女の子
母親の死をキッカケに一人の女性として生き始める
イケメンと結婚して母になるのが夢

【久木山レン】
高校三年生。早妃マドカへの憧れ
暴力優秀の生徒会員。ハチミツというのは〈あまい男〉という揶揄。
雨宿スイと大窄カイとは孤児院での馴染み
女性らしさを求めているのは、女とは何かを知るため。
命の死に関して特別な思いはなく、自分が生きていることに疑問を持っているレベル。

【雨宿スイ】
高校二年生。早妃マドカへの憧れ
暴力優秀生徒会員。華奢な身体をしているが弱くはない。
久木山レンと大窄カイとは孤児院での馴染み
体は強いが、心は弱く諫早ナナに甘えた経験がある
１１月に吉田ミョウによって爆殺された

【大窄カイ】
高校三年生。早妃マドカへの憧れ
暴力優秀の生徒。デカい硬い強い
久木山レンと雨宿スイとは孤児院での馴染みであり、二人と比較しても抜群の戦闘力を持つ。
生身の状態で宮城キョウコを一人足止めした。
中学時代に三人で巨悪の組織を潰したことがある。

【上崎レイジ】
２５区高校のスクールカウンセラー
大学時代に持ち前の体で柔道世界大会にでたが、一転して心理学へ。
２５校の呼びかけにより、急遽五島にやってきた。
聖夜の決戦で、宮城キョウコと共に焼死。

【堤ヨウ】
音楽優秀生徒会員。
ヴァイオリンが弾ける以外に特になにもない。
雨宿スイのスマホを諫早ナナに渡してあげた。

【大浜ナオミ】
成績優秀生徒会員。
黒猫に名前を付けてあげた。それ以外特になにもない。

【ラック】
黒猫、黒豹。妻のために悪人だけを殺した。
中途半端な獣として、宮城キョウコに惨殺される。
自分に対して面倒を見てくれた大浜ナオミ、幾ばくかの気を許していた


〈２４区商業高校〉

【諫早ナナ】
高校一年生。
普通の女子高生。雨宿スイとは恋仲っぽい感じ
聖夜決戦のとき殺されるところを三尾アヤカに助けられ、
スイのスマホを使って、レンとカイに助けを求めた。

【有喜ミナコ】
高校一年生。
普通の女子高生。
スタイルは良いが言葉が汚いのは玉にキズ
料理が上手い

【泉ソウマ】
高校一年生。
暴力優秀の男子高校生。
中学時代は暴走族久木山レンの側近だった

【川原ケンジ】
高校一年生
イキりな男子高校生
諫早ナナにちょっかいかけたが、
雨宿スイに病院送りにされて多少は不良を更生
聖夜のとき洞窟から諫早ナナを助けた

【堺キンノスケ】
普通の男子高校生
スポーツ優秀
方言がびっしゃあ(たくさん)出る


〈刑事〉

【鹿島】
五島の治安を守る刑事部部長
孫が大好きなおじいちゃん。
三島と桜に警察の基本を教えた。
聖夜決戦のとき、朱であるタコを道づれに自爆し死亡

【三島】
五島を守る女刑事
桜の先輩にあたる
同じ女として宮城キョウコを止めようとしたが、聖夜決戦にて死亡
実はパチンコが好き。

【桜】
五島を守る隻腕刑事
守るためなら自分の片腕を差し出す刑事
聖夜決戦のとき４７区を守れず、先輩刑事の死を目の当たりにし傷心
人の死は知っていたが、身近な死を経験するのは初めてだった


【ユキ】
鹿島の孫娘
病院外には出られず、唯一の折り紙を接点にして関わる人を増やしていた
サンタを見ることなく、心臓病で死亡


〈蒼〉

【シネスティア】
月の女王として浅界にたたずむ。
四神官を取り仕切り、救済の代行者達の基になっている。
正直人間たちのことはどうでもよく、姉(地球)のこと以外考えたくない

【万樹】
四神官の一人。
亀。
守ることが得意。
寡黙なためシネスティアの相談役になってしまっている
６０００万年前に壊滅した十六神官の生き残り

【千流】
四神官の一人
鶴
攻めることが得意
救済の代行者たちの指示役だが、メアリーに殺されることを予感している
６０００万年前に壊滅した十六神官の生き残り

【超鳥】
四神官の一人
カラス
次元を作ったりするが、正直戦いたくはない
頭は少し良いが、油断する癖があり、一回宮城キョウコに氷漬けにされた

【犬神】
四神官の一人
犬
純粋なフィジカルで戦う神官
実力不足を感じており、たびたび鍛錬をしている

【ルシフェル・ミラ・イース】
救済の代行者の一人
３０代の男性
３０代にしては少し達観したところがあり、メアリーに戦い方を教えた
黒死病と国に挟まれた激動の時代を戦い、悪魔の名を騙った罪で処刑されている
聖夜決戦、自分の体全てを力への薪へと変えてその体を失った

【メアリー】
救済の代行者の一人
１０代の女の子
見た目は女子中学生。
自問自答を経て蒼として戦うことを決めた
聖夜決戦のときに桜を助け出した
メアリーとは千流が付けた特に意味のない名前であり、
本名も記憶もすべて、千流によって作られたものである。


〈朱〉

【宮城キョウコ】
２４区商業高校の教師
本名は彩羽モモであり、宮城キョウコとはある教師の妻の名前
高校時代に津波の大震災で、両親と飼い犬と家を諸々失った
学力は良かったが、大学に上がるための学費が無く、女を使った商売に手を出した
上崎レイジとは付き合ったが、肉欲に負けて、彼を嫉妬する自分を嫌い、
自暴自棄になってすべて捨てた
聖夜決戦で上崎レイジに連れられ死亡
人の欲という、渇き続ける海に溺れた可哀そうな女の子

【タコ】
タコの姿をした朱
猛毒を使って攻撃する
鹿島の自爆に巻き込まれて死亡


【無(ムウ)】
聖夜決戦でメアリーと交戦した朱の男
名前は無い