其の百七 悪魔たち

文字数 983文字

――『クズ野郎』ですって?

服に付いた泥ホコリをはたきながらのっそりと歩み寄ってくる。

「おまえ達が正しかったとでも言いたいの??」
女教師は口をつり上げて物を言った。

「………だから滅びた。」
救済者である男は返答する。

「違うね。

んでしょう。
あれだけ神さまにさんざんお祈りを捧げたというのに、結局あなた方は処刑されたじゃない。

まぁ、金も食量も衣服も家も持ち得ない人たちから、金をむしり取ったんですもの。
自業自得よね。」



キョウコは猫のように目を細め、小うるさく笑った。



「ああ。

君のような

精神には感服するよ。」


ガサガサと風と一つ二つ通り過ぎた


「次は、俺が貴様らを滅ぼす。」



ルシフェルの手のひらから赤い雫が一滴こぼれる。




「ふふふっハハハハハハ」


女は顔を両手で覆った。


――ガコりと天秤が傾く



いちいち勘にさわる野郎だああぁぁぁああああ―――――ッッ!!!!!!!!!!!!!



そうしてルシフェルのもとに飛び込んだ。

ガリガリガリっと金属がこすれような音が響く

「ぬぬ、むぅ!!」

さきほどの切り裂くような氷刀ではなく、あらゆるものを叩きつぶす大槌へと変えて。

「気に入らないわ!!その目よ!!

その達観したような、悟った目が気に入らない!!!」


男の足が、徐々にアスファルトにヒビを入れて埋まっていく


「おまえのような、知ったかぶりは私の手によって死ぬべきなのよッ!!」

仮面が欠けて皮膚が剥がれた真っ赤な目を見つめて、男は右腕を後ろに構えた。

「――!!

そうだな!貴様のように【世界が悪い】と諦めればどれだけ楽だったろうなっ!!!」

そして大槌の柄の部分を目掛けて右ストレートを繰り出した。

柄は枯れた木の棒のように砕けて、女の子宮部に拳がめり込んだ。

「ヤああッ!!??あああああ――!!!!」

「ああ!!尊敬するさ!!

この腹から

その度量にはな!!!!」



ひと思いにって感じに女の腹は子宮部分を中心に抉り出された。



ぴゅーーぴゅうーーーぱちゃぱちゃあっと血は噴水に内蔵は花火のように弾けた

「ああああ………ええおえおおええぇぇ………!!

っこの悪魔め……ッッ」

キョウコは、抉れた腹の出血を止めようと真っ白なドレスと手を一瞬で血液色に染めた。

「そりゃあお互い様でしょう。」

ここに来るまでに目に入った、朱目の大人子供老人、男性女性を皆殺しにした手をみながらルシフェルは息をついた。
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登場人物紹介

吉田ミョウ/パーフィット (AL)


生徒会七人目の生徒


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