其の七十二 宮城キョウコ・三島刑事と犬神
文字数 526文字
「た、たすかりましたー……。
ほんとにありがとうございます。」
陽射しが照り付ける正午のなか、キョウコは女刑事と犬に頭を下げて礼を述べた。
「いや、ほんと、ある生徒に運んでほしいって頼まれたことは良かったのだけれど、まさかここまで重いなんて思わなくって……。」
「いいんですよ。私たちも警備がてらに助けただけなので――ねぇ犬神さん?」
三島の足元で息を乱している犬は、呆然としながら、
「な、なぜ、神官である俺までが……」
そう驚きを隠していなかった。
「こんなに重いものを持ってもらったんですもの。
刑事さんに何かお礼を――」
「お礼なんて、これぐらいトレーニングみたいなもんですよ。」
「み、みず……」
三島の笑顔をみながら、キョウコは「それでは申し訳ないですよ」とあたりを見渡した。
「そうだ!!確かあそこに有喜ミナコさんの出店があったはず!!
ちょっと刑事さん来てください!」
「え、えぇ!?別に、わたしは」
「まだ動くのか……」
赤い出店を指さしたキョウコは、三島の手をとって駆け出した。
それになんとか追いつこうと、犬神はえっちらおっちらと走り出した。
―――。
――――――。
「へいらっしゃい!!!
『ミナコのミラクルスペシャルウルトラスーパーメガトン美味い店』へ、
ようこそ!!」
ほんとにありがとうございます。」
陽射しが照り付ける正午のなか、キョウコは女刑事と犬に頭を下げて礼を述べた。
「いや、ほんと、ある生徒に運んでほしいって頼まれたことは良かったのだけれど、まさかここまで重いなんて思わなくって……。」
「いいんですよ。私たちも警備がてらに助けただけなので――ねぇ犬神さん?」
三島の足元で息を乱している犬は、呆然としながら、
「な、なぜ、神官である俺までが……」
そう驚きを隠していなかった。
「こんなに重いものを持ってもらったんですもの。
刑事さんに何かお礼を――」
「お礼なんて、これぐらいトレーニングみたいなもんですよ。」
「み、みず……」
三島の笑顔をみながら、キョウコは「それでは申し訳ないですよ」とあたりを見渡した。
「そうだ!!確かあそこに有喜ミナコさんの出店があったはず!!
ちょっと刑事さん来てください!」
「え、えぇ!?別に、わたしは」
「まだ動くのか……」
赤い出店を指さしたキョウコは、三島の手をとって駆け出した。
それになんとか追いつこうと、犬神はえっちらおっちらと走り出した。
―――。
――――――。
「へいらっしゃい!!!
『ミナコのミラクルスペシャルウルトラスーパーメガトン美味い店』へ、
ようこそ!!」