現在公開可能な情報　三島刑事の調査報告

冷夏事件――8月に起きた虐殺事件。死者数121名。

奇怪死事件――激しい損傷が見られた殺人事件。（25区校の校長・白猫）



獣事件――暴力団組織、麻薬組織、カルト教団などの反社会勢力に甚大な被害をもたらしてる事件。老若男女無差別に食い荒らした痕跡が残る。体毛やアスファルトに残った足跡、唾液や血液を鑑定した結果、体長5メートルを超えるねこ科に属する食肉獣と判断。極めて危険な生物なため、『神官』や『メアリー』女史との協力を締結。不可思議なことに反社会勢以外には一切被害は報告されていない。


指紋鑑定――冷夏事件を引き起こした暴走車、そのハンドルの指紋は女性と確定。しかし、被害者の撮影した写真をみると男の姿が映されている。そこで焼け焦げた車の台数すべてを調査してみると新たな指紋が発見された。ただ奇妙なことに日本人男性・日本人女性・アメリカ人男性・アメリカ女性・中国人男性～～～などあらゆる人種と性別の入り混じった指紋であったため判定できなかった。これは黒い本(リンフォン)に付いた指紋と同じものであった。


特別措置者(イレギュラー)――惑星内で異常を引き起こす主因物。それは代行者システムの異常であったり異常現象であったりと多岐にわたる。今回の話では異常現象は見られていないので、システムの異常とされているが、代行者は『メアリー』一体しか確認されていない。神官たちは『産業廃棄物』と呼ぶこともある。


代行者――神・運命・救済・次元・妖精・慈愛……など形而上の形や存在などを目に見える形に形而下視化したシステム。人間の肉体を使用する場合死人を使うのが原則とのこと。これによって『形而上の存在』の願いや目的を代わりに遂行する。『メアリー』は『救済』の代行者となっている。


現在鹿島たち警察本部は、神官たちと協力関係を結び調査を行っている。




「三島刑事ちょっといいですか？」
「どうしたの？桜くん？」
「先日の２４区文化祭のときに、『仏像が破壊されている』と被害報告を受けたんです。」
「……そうなの。」
「俺ちょっと捜査してきます。危険なことはないと思いますんで、すぐに終わるとは思いますが。」
「そうね。小さい事件もちゃんと解決しとかないと。

場所はどこなの？」


「11区だそうです。」