其の五十四 N.M.S 24区校

文字数 571文字

 二人の少女と一羽の鶴が歩道を歩く。

 車も歩行者もほとんどいない中、奇妙なトリオは歩き続ける。

 
 オレンジの街灯が三人の表層をヌラりぬらりと撫でる。


 「24区は、島の中で一番高い住宅街って感じよ。」

 メアリーと千流は耳を傾けながらも、周囲を見渡す。

 「ここ最近になって家が立ち並ぶようになったのよ。
  ま、そこは他と同じよ。他にも中央体育館とか中央公園とか大きいものはあるけど。

  特徴はやっぱり、この24区校よ。」


 切り立った崖に、島内を見渡せるように建設された――24区商業高校



 「島で唯一の就職専攻の高校ね。

  25区校は進学校で勉強ばかりするところだけど
  ここはインターンとか職場体験をしていて、自由なところね。正直羨ましい。
  ブレザーとか違った可愛さもあるし。
 
 あと文化祭もあるからそこも楽しみ!!
 
 ッて?」


 ナオミは饒舌に説明していたが、

 ギぃと古めかしい音を立てて正門が開かれていた。

 「ちょちょちょ、あんた何やってんのよ、不法侵入じゃない!?」

 ナオミは千流に詰め寄った。

 「手がかりを探しにいくんじゃ。いくぞ。」
 「ハッ。」

 メアリーと千流はズカズカと入っていった。

 ナオミはというと、予想外の行動に頭を掻きむしったが

 「待ちなさいよ。ちょっと置いてかないでよ!」

 最終的に三人で入ることとなった。

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登場人物紹介

吉田ミョウ/パーフィット (AL)


生徒会七人目の生徒


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