其の七十 鹿島と三島と桜、犬神

文字数 996文字

ありがとうございましたーーー!!

少年少女の爽やかななお礼を耳に入れながら、鹿島は1年2組教室を後にした。

校庭内にはびこる人たちの間を縫いながら、人気の少ない場所を目指す。


――――

―――――――――

「あぁどうもありがとうねぇ。

小銭を落としてしまって困ってたんだよぉ。」

「きぃつけなよ。ばぁちゃん。

次は落とさないようにしてくれよ。」


道中にて、小銭を落とした老婆がいたため、拾ってあげた。



『全部知ってるかもしれませんね。』
やるせない笑みを浮かべた諫早ナナを頭に思い出させる。

(あながち、間違いじゃねぇかもな。)





木陰のベンチに座り、流れるように左耳にトランシーバーを近づけた。

「こちら、24区校A区域担当の鹿島だ。

定期連絡を求む。」

ジジ、と機械音を聞きながら連絡が繋がるのを待つ。


『こちらB区域の三島。

現在異常なし。」

『こちらC区域の桜です。

異常はありません。』

二人の刑事に繋がった。


「了解。

現時刻は11:00。

当初の予定通り、惑星の神官である『犬神』と合流する。

各自集合場所へ向かえ。」

『了解。』

『了解です。』



―――――

――――――――――



「――と、言ったことが俺が聞いた情報だ。」

カラフルな傘が影をつくるなか、

鹿島、三島、桜、そして真っ白な犬が向かい合っていた。

「まぁ、確かに、ネットにもそんな話があるわね。」
三島は納得できていないといった感じに、眉をシワを寄せる。

「それが、この

に関わってるってことでしょうか?」
桜がメモを取りながら必死に耳を傾けている。

「無関係では――ないだろうな。
『黒い本』の内容はお前らも読んだろ?

2020年の11月からの予定表ともとれる日記。

そして、

死んでいった人間の名前……いや、全生命体の個体名がびっしり書き込まれてたのを。

『全てを知ってる』ってことであれば不自然じゃなくなる。」
鹿島は場を納得させるように再度を説明をし、

「こういう、超自然現象もまた、あんたらのいう『代行者』に当てはまんのかい?

犬神さんよ。」

厳格に座っている白犬に目を掛けた。

鹿島に合わせ、

三島は鋭い目を、

桜は自信の無い瞳を向ける。



「――そうだ。」

鉛のように味の無い、重みだけの声が発せられる。

「我らが手を取り合い、殺さなねばならない『産業廃棄物(ゴミくず)』だ――!!」


目はこれ以上ないくらい、見開き血走って――

口は避けるほどに、吊り上がり――

怒りともとれる唸り声をあげながら、犬神は三人と目を合わせた。
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登場人物紹介

吉田ミョウ/パーフィット (AL)


生徒会七人目の生徒


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