其の七十三 ミナコのミラクルスペシャルウルトラスーパーメガトン美味い店 より

文字数 1,038文字

9月17日 12:00 

正午になり、より一層日差しが輝きを乗せたころ

近くの広場に『天下一腕づもう大会!!』と書かれている大旗を呆然と見ながら、

刑事である三島は、どこかむさ苦しさを感じる赤色のテントに座っていた。

むさ苦しいといっても、警察本部は筋骨隆々のゴリゴリのマッチョマンが、ひしめき合う男たちが常なので慣れてはいるのだが、

「へいらっしゃい!!
ミナコの(以下略)店へ!!」

頭に赤いタオルをまいて、汗をにじませながら料理しているのは、女子高生ただ一人だった。

「メニューが決まり次第呼んでくだせえ!!

あたいは、ちょっと裏に回りますんで。」

そういうとミナコは、その豊満な胸を揺らしながらせっせと裏口から姿をけしていった。

「あ―――」
あまりに唐突な流れであったため、三島は呆気にとられながらも、机に置かれたメニュー表に目を通し始めた。

――――――

クッソ、おいミナコ!!人のことこき使いすぎやぞ!!何回食材を運ばせればいいんだ!!?

あまり大きな声を出すなキンノスケ。暑苦しくて敵わん。あたしの特製ジュースでも飲むか?

いらん!!あんな殺人ジュース誰が飲むか!!

――――――
「………。」
何やら裏で揉めている。

――――――
あ、キョウコ先生もありがとうございました!!お礼に無料で作りますよ!!

じゃあ今のお客さんも無料でお願いね。

なの。

チ、こいつ(ミナコ)に構ってたら日が暮れちまうな。






「なんだかごめんなさいね、タダで料理を頂いて……。

……おいしい。」
「いいんですよ。キョウコ先生の大切な客なら文句ありませんし。」

そして、カウンター席で三島はラーメンを啜った。胸につかえることなくスルリと行ける軽い物だった。

「バランスの良いラーメンでしょ?刑事さん。
ミナコさんは料理がとても上手くて自慢の生徒なの。」

同じようにとなりでラーメンをすするキョウコは、自分のことのように嬉しそうに微笑みながら言った。

「よしてくださいよ先生。むずがゆくなります……」
顔を赤らめながら、ミナコは肉を焼き上げた。


「ワン公、この肉食べるかい?」
ミナコは、気だるそうにゼハゼハと息を乱している犬神に肉を差し出す。

最初は警戒して、肉の周りをうろつくだけであったが、ダムの決壊のように肉に嚙みついた。

「わおおおおおんんん!こりゃ美味いぞ!!人の子よ!!」
「そっか、そりゃよかったわ。」
犬神は花火のような、ミナコは花を連想させる笑みを作った。


「……」
そんなようすを

はじっと見つめていた。
亡くしたものを見つけたように。
じっと。
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登場人物紹介

吉田ミョウ/パーフィット (AL)


生徒会七人目の生徒


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