其の八十一 メアリーVS特別措置者

文字数 616文字

「あっそ。これ以上あんた達と話しても意味は無さそうね。」


「さて、と。それじゃあ見せてもらおうか。
――かかってこい『救済の代行者』」



メアリーが、吸い込まれるような勢いで特別措置者に襲い掛かる。

狙いは早妃ショウゾウであるらしい。


「正面から突っ込んでくるか!!」

男はそういって力任せの拳を出す。



しかし、当たる感触が無い。


背後からわずかな大気の揺れを感じる。


「遅い――!!」
「ッッ……!?」

正面から突っ込んで行った彼女は、いつの間にかショウゾウの後ろに出現し、肘鉄を喰らわせた。

余程衝撃が強かったのか、男は体を横にしたまま10Mほどぶっ飛ばされた。


「クソったれめ。やってくれるじゃねぇか。」
顔に付いた泥を拭き上げながら、メアリーのいる場所を振り返る。



されど、そこにはホコリが巻き上がっているだけであった。


「どこにいっ――」

「上だ。」

瞬間、男の頭が地面に叩きつけられる。

上体を起こそうとするも上手い事いかない。

「その程度?」

彼女は腕一本で、ショウゾウを押さえつけていた。

息の一つ乱れていない。

そして男の頭を鷲掴みにしたまま持ち上げると、


二度、三度地面に叩きつけた。

「ごほ…、はは……。」

彼女はその血だらけのにやけ顔を覗きみると、近くで流れている川に男を投げ捨てた。



メアリーは川に浮いているショウゾウを、見下ろしながら鋭い眼を浮かべる。

「分からないと思ってんの?いい加減手の内を見せないと、

このまま殺すわよ。」




早妃ショウゾウはまたも笑っていた。
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登場人物紹介

吉田ミョウ/パーフィット (AL)


生徒会七人目の生徒


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