其の八十六 嵐を呼ぶ神官パワー炸裂!!勝つのは我々だ――!!
文字数 1,223文字
――君?
さ―ら君!!?
桜君!!??
「はっ――」
11区の公民館近く――その地蔵堂内で、桜刑事が目を覚ますと目の前には心配な顔を浮かべている三島刑事の姿があった。
脳みそまで響いてくる甲高い雨音に、思考を邪魔されながらも状況把握に努める。
周りを見渡してみると数十人の刑事、警官の姿が合羽を着用して外を警戒していた。
「三島刑事……これは……?」
刑事たちに指示を飛ばす三島に、桜は弱弱しくも尋ねた。
「俺は……たしか……」
恐る恐る左腕に目線を移動をさせる。
「メアリーちゃんから連絡があったの。
11区から異常性が見られたって…。
それも桜君が11区に向かったあとに――」
その後の言葉を繋ごうとしたとき
道路のアスファルトに亀裂が入り、立っていられない程に地面全体が揺れ動いた。
周囲の家屋から瓦屋根が落下しては粉々に砕け散り、桜の真横では金色のお地蔵様が倒れてヒビが入っていた。
「これは!?」
「たぶん、犬神殿が戦っているのでしょう……。俺に応急処置をしたあと、まっすぐに飛んでいきましたから。」
三島は桜の安全を確保した後、双眼鏡でその原因を確認した。
牛神神社のある山の方向――そこは一言で言えば『地獄』といって差し支えなかった。
そこを中心に青白い稲光が縦横無尽に空を駆け巡り、
山全体が明々しく生き生きとした炎に包み込まれていき、
その周囲には平均5Ⅿの蟲たちが数百匹単位で悲鳴を上げて、焼かれながら散り散りに飛散していたのだ。
『我ら神官ははるか昔よりこの惑星を
犬神――別名『大神』は燃え滾る炎の山で、身じろぎ一つ、表情一つ変えず大地を踏みしめていた。
『目的はこの惑星を守ると同時に――』
20Mを超える大ムカデが、ウゾウゾとカタカタと大量の足を働かせて、その足を胴体を大神に絡みつかせていく。
それでも、青白い毛皮をまとった神官は微動だにせず、ただ視線を下に向けて
チャンスっと思ったのかムカデは嬉々とした様子でウネウネと触覚を動かし、神官の頭蓋骨を潰す勢いでネバついた牙を駆り立てた――
『貴様らゴミ共を排除するためだ。』
ムカデの牙は神官には届かなかった。
ギギ!?ギギギギギgっぎぎ!!???
逆にムカデの頭が神官に咥えられていた。わけもわからないその蟲はあらんかぎりに、足たちを懸命に無作為に動かす。
しかし、体は動かず頭にヒビが入るだけであった。
ぱきっきょ
不細工な音を立てて、ムカデの頭は噛み潰され、紫色の脳みそと思われる肉がこぼれ落ち、緑色の血がダムのように地面を――
「ぺっ……上等……!」
早妃ショウゾウは口に入った緑血を吐き捨てて
「あたしの蟲って猛毒のはずなんだけど……」
早妃フミコはその圧巻のパワーに飽きれていた。
『現在の惑星が作られるまでに……たまりに溜まった『産業廃棄物』たちよ――』
ズシンっと威圧するように、一歩足をだす
『さぁ、続きを楽しもうじゃねぇか……!!』
さ―ら君!!?
桜君!!??
「はっ――」
11区の公民館近く――その地蔵堂内で、桜刑事が目を覚ますと目の前には心配な顔を浮かべている三島刑事の姿があった。
脳みそまで響いてくる甲高い雨音に、思考を邪魔されながらも状況把握に努める。
周りを見渡してみると数十人の刑事、警官の姿が合羽を着用して外を警戒していた。
「三島刑事……これは……?」
刑事たちに指示を飛ばす三島に、桜は弱弱しくも尋ねた。
「俺は……たしか……」
恐る恐る左腕に目線を移動をさせる。
「メアリーちゃんから連絡があったの。
11区から異常性が見られたって…。
それも桜君が11区に向かったあとに――」
その後の言葉を繋ごうとしたとき
道路のアスファルトに亀裂が入り、立っていられない程に地面全体が揺れ動いた。
周囲の家屋から瓦屋根が落下しては粉々に砕け散り、桜の真横では金色のお地蔵様が倒れてヒビが入っていた。
「これは!?」
「たぶん、犬神殿が戦っているのでしょう……。俺に応急処置をしたあと、まっすぐに飛んでいきましたから。」
三島は桜の安全を確保した後、双眼鏡でその原因を確認した。
牛神神社のある山の方向――そこは一言で言えば『地獄』といって差し支えなかった。
そこを中心に青白い稲光が縦横無尽に空を駆け巡り、
山全体が明々しく生き生きとした炎に包み込まれていき、
その周囲には平均5Ⅿの蟲たちが数百匹単位で悲鳴を上げて、焼かれながら散り散りに飛散していたのだ。
『我ら神官ははるか昔よりこの惑星を
守護
するために、『月
』より遣わされた存在――』犬神――別名『大神』は燃え滾る炎の山で、身じろぎ一つ、表情一つ変えず大地を踏みしめていた。
『目的はこの惑星を守ると同時に――』
20Mを超える大ムカデが、ウゾウゾとカタカタと大量の足を働かせて、その足を胴体を大神に絡みつかせていく。
それでも、青白い毛皮をまとった神官は微動だにせず、ただ視線を下に向けて
二つの人影
を捉えるだけであった。チャンスっと思ったのかムカデは嬉々とした様子でウネウネと触覚を動かし、神官の頭蓋骨を潰す勢いでネバついた牙を駆り立てた――
『貴様らゴミ共を排除するためだ。』
ムカデの牙は神官には届かなかった。
ギギ!?ギギギギギgっぎぎ!!???
逆にムカデの頭が神官に咥えられていた。わけもわからないその蟲はあらんかぎりに、足たちを懸命に無作為に動かす。
しかし、体は動かず頭にヒビが入るだけであった。
ぱきっきょ
不細工な音を立てて、ムカデの頭は噛み潰され、紫色の脳みそと思われる肉がこぼれ落ち、緑色の血がダムのように地面を――
二人
を濡らしていった。「ぺっ……上等……!」
早妃ショウゾウは口に入った緑血を吐き捨てて
「あたしの蟲って猛毒のはずなんだけど……」
早妃フミコはその圧巻のパワーに飽きれていた。
『現在の惑星が作られるまでに……たまりに溜まった『産業廃棄物』たちよ――』
ズシンっと威圧するように、一歩足をだす
『さぁ、続きを楽しもうじゃねぇか……!!』