其の四十八 虚空のこころ
文字数 485文字
大浜ナオミにとって――
雨天以上に、『日本晴れ』は気分を害するものだった。
青すぎる空は、雲ひとつないあの空は、『何も』描くことが出来なかったからだ。
『復讐』
『友達』
『自慢』
『妻』
『音』
『魅力』
『誇り』
『強さ』
彼女にとってそれらはただの言葉に他ならない。
(気に入らない――)
どれだけ考えようと、本人の見ている『世界』は理解できない。
(気に入らない―……)
故に、故に、、
(――気持ち悪い。)
自分だけ手持無沙汰な状況に嫌悪した。
「ナオミちゃんってさ、しょうみ何でもできるけど
「わっかるうー。」
「確かに俺たちよりも才能はあるんだろうけどな。」
「なのに、型の太鼓はできないのよ。まじイミフ」
それな それそれ うんうん
「はぁ――あたしらとは見てる
あはははハハハハハ―――と笑い声が廊下まで響いている。
周りから見れば彼女もまた、『あっち側』だったのだ。
とても喜ばしい事である。
「…………………」
だが不思議なことに彼女は教室のドアで立ち尽くした。
「ほんっと『空っぽ』でおもんないわ、アイツ。」
雨天以上に、『日本晴れ』は気分を害するものだった。
青すぎる空は、雲ひとつないあの空は、『何も』描くことが出来なかったからだ。
『復讐』
『友達』
『自慢』
『妻』
『音』
『魅力』
『誇り』
『強さ』
彼女にとってそれらはただの言葉に他ならない。
(気に入らない――)
どれだけ考えようと、本人の見ている『世界』は理解できない。
(気に入らない―……)
故に、故に、、
(――気持ち悪い。)
自分だけ手持無沙汰な状況に嫌悪した。
「ナオミちゃんってさ、しょうみ何でもできるけど
それだけよね
。」「わっかるうー。」
「確かに俺たちよりも才能はあるんだろうけどな。」
「なのに、型の太鼓はできないのよ。まじイミフ」
それな それそれ うんうん
「はぁ――あたしらとは見てる
世界
が違うってね。」あはははハハハハハ―――と笑い声が廊下まで響いている。
周りから見れば彼女もまた、『あっち側』だったのだ。
とても喜ばしい事である。
「…………………」
だが不思議なことに彼女は教室のドアで立ち尽くした。
「ほんっと『空っぽ』でおもんないわ、アイツ。」