其の百六 ルシフェルVS宮城キョウコ
文字数 1,391文字
【23区への道】
「あの桜刑事…このまま進めば23区へ出られますが、
よろしいのでしょうか…?」
住民たちを避難させている最中の部下の女性警官が不安そうにつぶやいた。
「あの【超鳥】や【ルシフェル・ミラ・イース】には人には考えられない力があるのは分かりました。
しかし怖いのです……。」
「大丈夫さ…。あの方々であればきっと事件を力づくでも解決してくれるよ…。」
桜は不安を拭う感じに震えを押さえて言った。
が、彼女にとってそういうものではないらしい。
「彼らは味方であっても人間ではありません!!
何かの手違いで敵対してしまったらと私たちに成すすべは無いんですよ!!!
そうなったら、、神さまにでもすがれってんですか……??」
前をあるいている住民たち悟られぬよう声を押さえたつもりだろうが、
目いっぱいに溜めた涙と声の震えで嫌でも察しがつくレベルであった。
警察の方々は何をしているのかしら。
【冷夏事件】【獣事件】【奇怪死事件】……こんなにも起こっているのに犯人の一人捕まえやしない。役立たずにも程がありません?
お地蔵様にお祈りのでもした方がマシに思えるわ。
カラス退治っていうから家にいたのに大地震に、こんなに冷え込んだ中避難するため歩くってマジ意味わかんね。おまけにお偉い警察の方々はご立派そうな装備で。俺たち市民への配慮はないのかね~~。
住民たちから冷たい言葉と視線が向けられる。
「今は、目の前のことをやっていこう……!」
取ってつけたような言葉をかえす桜。
「わかりました……」
木々から超鳥が従えているカラスたちが上から見守っていた。
【24区北住宅街】
「これはこれは、中世の神父さまじゃない??」
氷の鎌は男の手のひらにより、三島刑事の首筋の一歩前でピタリと止まっていた。
「がっハ――っ!!!!」
ルシフェルは無言で鎌を砕き、宮城キョウコの腹に拳をめり込ませる。
そのはずみでキョウコは後方の住宅まで吹き飛んで行った。
ぴちゃりぴちゃりとルシフェルの左手から血が滴り落ちる。
「っし、、ふえ、、」
「喋るな。体力を減らすだけだ。」
三島の口を封じて、足に刺さった氷柱をするり取り出す。
「11区の戦いの怪我は治っていなかったのだろう?
それなのに無茶ばっかりとは。」
パタパタパたとカラスが四羽降り立つ。
「罰として怪我がなおるまで眠れ。
もし目を覚ましてまだ問題解決できていなかったときは君を頼る。」
三島の充血した目を暖かく閉ざす。
「ぁ――」
底の無い深い深い瞳に看取られ、女刑事は意識を手放した。
「カラスよ。この人間を中央病院まで。
重体だから慎重に運べよ。」
代行者の言葉に、グわ、グわ、っと返事をしながら4羽で協力して持ち上げて行った。
――はーーっはっはっはっは!!!このまま逃がすとでも!!?
埃の中から朱い瞳の女が、カラスたち目掛けて手を伸ばしていた。
「まとめて殺してあげる!!」
空中に5つの氷柱がかたどられる。
――いい加減しろ。このクズ野郎。
キョウコの手首が男によって締めあげられる。
「なッ――!!??」
ギチギチっと音をたてて骨にヒビが入るの感じたキョウコは、本能てきに身を引いた。
(あたしの身体を触って、凍傷を起こしていないなんて。
超鳥とはまた違う強さね……ッ!!)
状態を確認するため手首をクルクルと回しながら模索する。
「さて、俺は超鳥のように甘くは無い。」
抑揚のない沈着な声で、赤い氷の仮面ごと女の横顔を殴り飛ばした。
「あの桜刑事…このまま進めば23区へ出られますが、
よろしいのでしょうか…?」
住民たちを避難させている最中の部下の女性警官が不安そうにつぶやいた。
「あの【超鳥】や【ルシフェル・ミラ・イース】には人には考えられない力があるのは分かりました。
しかし怖いのです……。」
「大丈夫さ…。あの方々であればきっと事件を力づくでも解決してくれるよ…。」
桜は不安を拭う感じに震えを押さえて言った。
が、彼女にとってそういうものではないらしい。
「彼らは味方であっても人間ではありません!!
何かの手違いで敵対してしまったらと私たちに成すすべは無いんですよ!!!
そうなったら、、神さまにでもすがれってんですか……??」
前をあるいている住民たち悟られぬよう声を押さえたつもりだろうが、
目いっぱいに溜めた涙と声の震えで嫌でも察しがつくレベルであった。
警察の方々は何をしているのかしら。
【冷夏事件】【獣事件】【奇怪死事件】……こんなにも起こっているのに犯人の一人捕まえやしない。役立たずにも程がありません?
お地蔵様にお祈りのでもした方がマシに思えるわ。
カラス退治っていうから家にいたのに大地震に、こんなに冷え込んだ中避難するため歩くってマジ意味わかんね。おまけにお偉い警察の方々はご立派そうな装備で。俺たち市民への配慮はないのかね~~。
住民たちから冷たい言葉と視線が向けられる。
「今は、目の前のことをやっていこう……!」
取ってつけたような言葉をかえす桜。
「わかりました……」
木々から超鳥が従えているカラスたちが上から見守っていた。
【24区北住宅街】
「これはこれは、中世の神父さまじゃない??」
氷の鎌は男の手のひらにより、三島刑事の首筋の一歩前でピタリと止まっていた。
「がっハ――っ!!!!」
ルシフェルは無言で鎌を砕き、宮城キョウコの腹に拳をめり込ませる。
そのはずみでキョウコは後方の住宅まで吹き飛んで行った。
ぴちゃりぴちゃりとルシフェルの左手から血が滴り落ちる。
「っし、、ふえ、、」
「喋るな。体力を減らすだけだ。」
三島の口を封じて、足に刺さった氷柱をするり取り出す。
「11区の戦いの怪我は治っていなかったのだろう?
それなのに無茶ばっかりとは。」
パタパタパたとカラスが四羽降り立つ。
「罰として怪我がなおるまで眠れ。
もし目を覚ましてまだ問題解決できていなかったときは君を頼る。」
三島の充血した目を暖かく閉ざす。
「ぁ――」
底の無い深い深い瞳に看取られ、女刑事は意識を手放した。
「カラスよ。この人間を中央病院まで。
重体だから慎重に運べよ。」
代行者の言葉に、グわ、グわ、っと返事をしながら4羽で協力して持ち上げて行った。
――はーーっはっはっはっは!!!このまま逃がすとでも!!?
埃の中から朱い瞳の女が、カラスたち目掛けて手を伸ばしていた。
「まとめて殺してあげる!!」
空中に5つの氷柱がかたどられる。
――いい加減しろ。このクズ野郎。
キョウコの手首が男によって締めあげられる。
「なッ――!!??」
ギチギチっと音をたてて骨にヒビが入るの感じたキョウコは、本能てきに身を引いた。
(あたしの身体を触って、凍傷を起こしていないなんて。
超鳥とはまた違う強さね……ッ!!)
状態を確認するため手首をクルクルと回しながら模索する。
「さて、俺は超鳥のように甘くは無い。」
抑揚のない沈着な声で、赤い氷の仮面ごと女の横顔を殴り飛ばした。