其の五十六 37区隊隊長 泉ソウマ
文字数 994文字
37区 ある廃棄広場
そこに紫の特攻服を青年たちが、ピリピリと空気を歪ませながら集まっている。
その広場をのぞき込めるような、倉庫の陰で川原ケンジは隠れていた。
「おいおい、あの特攻服……『クール隊』のやつじゃねぇかよ!?
この辺りを走り回っている学生暴走軍団が、なんでこんなところに?」
ケンジは目を見開きながらも、見つからないように身を潜め、耳を澄ませた。
「隊長、あらかた揃ったようです。」
その声を合図にして鉄くずの山の頂上で男が立ち上がった。
「てめぇぇらああッッッ!!!」
辺り一面にその声が響き渡る。
「まず今日、この場に集ってくれたことに感謝する。
俺の自慢の友人たちよ!!」
ケンジはここで、その男の姿に違和感を持った。
(ん?あいつどこかで?)
「最近、ここら一帯は猟奇的な事件が続いている。
その影響もあってか極道共が俺たちに難癖つけて吹っ掛けてきやがった。
相手はマジモンだ。武器でもなんでも使ってかかってくるだろう。
だが―――」
隊員たちが息を呑む。
「俺たちは
――この世界は勝った方が正義を騙れる。
ガキだろうがヤクザだろうが、勝ったヤツが全てを手に入れる!
勝ち組になりてぇやつは!!俺についてこいッッ!!!」
ウオおおおおおおおおーーーーーッッッ!!!!!!
男たちの咆哮が場を支配していく。
「へへ、全員で
向こう側から、また違う車やらバイクの音が聞こえてくる。
「来たようです。
「だな。」
ソウマは待ちきれないといった感じに、ぴょんと地面へと着地して、
4mをこえる紫色の旗を軽々と持ち上げて
50を超える隊員を率いて行った――。
(おいおいおいおい、なにしてんだあいつは!?
え!?俺と同じクラスにあんなイカレタやつおったん!?)
ケンジはひっそりと恐怖した。
※37区隊――通称・クール隊
24区校 職員室
「ねぇ、メアリー……。
さっき言ったこと、本当なの……?」
ナオミの額から冷や汗が伝う。
「ええ。スマホの画面を見るからには。」
メアリーは赤いUSBが刺さった、自分のスマホ画面を凝視する。
「――……」
千流は変わらず口を閉ざしているが、その眼には若干な驚きを含んでいる。
「このUSBに、冷夏事件の一因となった
そこに紫の特攻服を青年たちが、ピリピリと空気を歪ませながら集まっている。
その広場をのぞき込めるような、倉庫の陰で川原ケンジは隠れていた。
「おいおい、あの特攻服……『クール隊』のやつじゃねぇかよ!?
この辺りを走り回っている学生暴走軍団が、なんでこんなところに?」
ケンジは目を見開きながらも、見つからないように身を潜め、耳を澄ませた。
「隊長、あらかた揃ったようです。」
その声を合図にして鉄くずの山の頂上で男が立ち上がった。
「てめぇぇらああッッッ!!!」
辺り一面にその声が響き渡る。
「まず今日、この場に集ってくれたことに感謝する。
俺の自慢の友人たちよ!!」
ケンジはここで、その男の姿に違和感を持った。
(ん?あいつどこかで?)
「最近、ここら一帯は猟奇的な事件が続いている。
その影響もあってか極道共が俺たちに難癖つけて吹っ掛けてきやがった。
相手はマジモンだ。武器でもなんでも使ってかかってくるだろう。
だが―――」
隊員たちが息を呑む。
「俺たちは
誇り
を賭けて戦い、そして勝つッ!!――この世界は勝った方が正義を騙れる。
ガキだろうがヤクザだろうが、勝ったヤツが全てを手に入れる!
勝ち組になりてぇやつは!!俺についてこいッッ!!!」
ウオおおおおおおおおーーーーーッッッ!!!!!!
男たちの咆哮が場を支配していく。
「へへ、全員で
カッケー
っ男になろうぜ。」向こう側から、また違う車やらバイクの音が聞こえてくる。
「来たようです。
泉ソウマ隊長
。」「だな。」
ソウマは待ちきれないといった感じに、ぴょんと地面へと着地して、
4mをこえる紫色の旗を軽々と持ち上げて
50を超える隊員を率いて行った――。
(おいおいおいおい、なにしてんだあいつは!?
え!?俺と同じクラスにあんなイカレタやつおったん!?)
ケンジはひっそりと恐怖した。
※37区隊――通称・クール隊
24区校 職員室
「ねぇ、メアリー……。
さっき言ったこと、本当なの……?」
ナオミの額から冷や汗が伝う。
「ええ。スマホの画面を見るからには。」
メアリーは赤いUSBが刺さった、自分のスマホ画面を凝視する。
「――……」
千流は変わらず口を閉ざしているが、その眼には若干な驚きを含んでいる。
「このUSBに、冷夏事件の一因となった
コンピューターウイルス
が入ってるって――。」