其の百七十五 救いとは

文字数 1,148文字

47区 入口 メアリー 対 ギリシャ風の男

「クソ……っ」

「……【蒼】がこの程度じゃあるまい。」



47区 別館  桜刑事 対 タコ

「まったく…この状況じゃあ、わしが戦うしかありましぇんねぇ……!」

(体が重い……、目が熱い……? あのタコの攻撃…もしかして毒か……!?)


47区 海岸線 上崎レイジ 対  宮城キョウコ

「平和ボケしたゴミ共が、気安く否定すんな――!!」

「復讐はケジメをつけると言った――なら、その先になにを望んでいる…ッ…?」



浅界

「どうなっている!!??
知らない【朱】のヤツに…、毒タコに…、進化した宮城キョウコ……。
ここにきて集結したというのか……っ
メアリーは苦戦していて、ルシフェルに至っては落ちていってそのままとは!!」


玉座に添えられた水晶玉で観戦しながら、犬神が声を上げていた


「ましてや、あの敵に、生身の人間が! 敵うはずがない!!」

犬神は声を上げながら、走り出した

「なにをするつもりじゃ?」

万樹の問いかけに、振り向くことなく

「このままでここで、黙っていることなど私にはできませんっ!!」

そうして、玉座の大扉の前にきたとき、1つの斬撃が犬神の足元を襲った
大理石の床から焦げたような臭いと煙があがっていく


「言ったはずです。 神官が下界におりることは禁ずると。」

「シネスティア様……っ」

大椅子から立ち上がり、ヒール音を鳴らしながら、シネスティアが近づいていく

「なぜです!?
あのままでは、人類が敗北してしまうかもしれないのですよ!?
それを黙ってみていろというのですか!?」

「人類だけが特別ではありません。」

犬神の訴えに眉一つ動かさず彼女はつぶやいた

「現在にいたるまで、数えきれない種が絶滅してきました。
なにも、そこにプラス一されるだけのこと。」

「なにも……って、自然災害ならまだしも……
朱という【特別措置者】が攻めてきているのですよ!?」

「そのために【救済の代行者】を二人遣わしたのです。」

「しかし……」

コンコンとシネスティアは杖を鳴らす

「人間は、己の力で問題を【学習】する高尚な存在です。
しかし、一度 外部の存在が介入してしまえば、どうなるかわかりますか?
【それさえ学習してしまうのです】。

天変地異が訪れ 病気が蔓延したとき、それを助けてあげたとしましょう。
すると、次にそのようなことが起きた場合、
【祈り始めるのです】。

だからこそ、人には人としての力で解決していかなければなりません。
そうでなければ、我々は彼らを弱者として認識していることになります。

この先、あなたは助け続けるのですか?
人類が、生命体が存続しつづける限り、【神】として永遠に。」


月の女王の言葉に、犬神は肩を落とすしかなかった


「犬よ、共に信じようぞ。
いまを生きんとする人間たちの底力を。」


万樹は肩を落とす犬神をなぐさめた
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

吉田ミョウ/パーフィット (AL)


生徒会七人目の生徒


ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み