其の百五十七 蒼として

文字数 640文字

「シネスティア様 それは(まこと)ですか?
次の戦いのときに、我々神官を出撃させないというのは。」

万樹の息遣いが残る
浅界にたたずむ教会に 深刻な雰囲気が漂っていた

「聞こえませんでしたか。
次に【朱】が襲撃を始めても、あなたたち神官が下界に降りることを禁じます。」

「な、なぜです!?
地球にいる人類があの者たちに敵うわけありません!!
現に、私や超鳥殿さえ苦戦を強いられたのです!! そんなの納得いきません!!」

犬神の嘆きに、女王は1つのため息を吐きだす

「あなた達神官の役目は、地球という【惑星の保持】であって、生命を守ることではない。

聡明な神官であれば分かっているでしょう。
【宇宙は1つの均衡状態】にあることを。

もし、地球という惑星が崩落してしまえば、地球だけでなく、
水星 金星 火星 木星 土星 天王星 海王星――少なくとも太陽系は木端微塵になることを。
生命体だけに固執することは危険なのです。」



機械のように淡々と話すシネスティアに、超鳥は冷や汗を流す


「そもそも私を含め神官という存在はこの世の者ではない、いわば第三者の立場。
地球になにが起ころうと、本来関わってはいけないのです。」


「……」
超鳥は口を閉ざし続けた


カツンと杖が鳴らされる


「今までは度重なる奇襲にやむを得ず、神官を出撃させましたが、次の戦いでは公平な戦いになるでしょう。

【朱】か【蒼】か――この為に【代行者】を選んだのですから。」


黒色の杖は目先の二人を指し示す。


「頼みましたよ。
(救済)の代行者として恥の無く、己として後悔のないように。」
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登場人物紹介

吉田ミョウ/パーフィット (AL)


生徒会七人目の生徒


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