狂った愛の先に④
文字数 2,162文字
昴が言うことは正しい。大切な友人だから。インターネット小説家「南方 葵」が言っている事を伝達してくれたのは嬉しい。「南方 葵」がこのクラスにいるのが分かったのは嬉しかった。それだけでも良かったのに……どうしてこのような事に……。
しかし、それももう限界かもしれない。これが本当の明里に対する思いなのなら……圭に負けてられないし、結愛にも負けてられない。
この胸の苦しみを無くす事が出来るのなら……。
どうか曰く付きの譜面「ライラックの片恋」とその作者「南方 葵」が見つかりますように……。
それにしても冷えすぎている。もしかしたら、雪が近いのかもしれない。去年の今頃、雪なんて降った覚えもないし、悠と結愛とも普通に暮らしてきた。
強風と共に空から白い粒が舞い始めた。
ただし、言えることが一つあった。
周囲の焦りは、徐々に混乱を生み始めていた。