なぁ、歌音ちゃん。今日、お茶行かへん?
2017/06/20 08:18
そんな美羽のお誘いはいきなりだった。いつもながらこのようなイベントは突然やってくる。ここは、OKでいいのかな?
2017/06/20 08:19
良いわよ。一緒にお茶行きましょっか。もう一人呼びたい人いるんだけど良いかな?
2017/06/20 08:20
じゃあ、放課後ここで集まってからにする?
2017/06/20 08:21
いや、校門前の方が待ち合わせしてる気分になれるわ♪ だから、校門前がエエわ♪
2017/06/20 08:22
じゃあ、校門前でね
2017/06/20 08:23
美羽と別れた私は、圭の元に急いで向かったのであった。
2017/06/20 08:23
圭くん、ちょっと良いかな?
2017/06/20 08:26
何だ? どうしたんだ、歌音から来るなんて……
2017/06/20 08:26
今日放課後、美羽ちゃんとカフェに行く事になったんだけど……。圭くんは来てくれる?
2017/06/20 08:27
別にいいけど……。今回は、兄貴にも来てもらおうと思ってる。思ったより危険だからな
2017/06/20 08:28
このまま、うまくいけば良いのだが……。
2017/06/20 08:28
時は流れ、放課後。
歌音たちは、校門前に集まり、学校近くのカフェに向かった。
2017/06/20 08:45
なぁ、美羽に聞くけどいいか?
2017/06/20 18:31
エエよ♪ 何でも聞いてや♪
2017/06/20 18:32
お前、友達といるところ見たことないけど……一体どうしてなんだ?
2017/06/20 18:32
何や、そんな事? そうやなぁ……あまり信用でけへんからかな? 昔からあたしはそうやもん♪
2017/06/20 18:33
それってどうして?
2017/06/20 18:33
そうやなぁ……実はあたしは元コンクール入賞者やねんなぁ……。けっこう嫉妬されるんよ……。入賞でけへんかったら、罵倒もされたんよ。だから、友達は信用できるまで作らないって決めたんよ♪ それで今回は、歌音ちゃんなら、と思った訳よ♪
2017/06/20 18:34
そんな……どうして本気を出さないの?
2017/06/20 18:38
そんなの決まってるやろ♪ 本気出して嫌われたくないからやわ♪ あたしが本気だしたらみんな飲み込んでしまうから……
2017/06/20 18:38
そうやなぁ……例えばやけど……
2017/06/20 18:39
注文した品物を食べながら美羽の話を聞いてるけど……完全に人を拒絶してる……。拒絶したことによって戦乙女は、荒れた大地に取り残されてしまったのだ……と。
歌音は、ミルクレープを一口食べるけど、あまり味を感じない。本来なら甘味のあるミルクレープ……。感情などを感じとると味気なく感じる。
2017/06/20 18:40
美羽の話は続く。
元々は、明るく人見知りもしなかったらしい。それが、コンクールで入賞してから全ての見る人の目が変わったらしい。持て囃される……それに嫌気がさしたのだとか……。コンクールで入賞を逃すと見放される……そんな生活を送っていたことから、人を信用できなくなったのである。
2017/06/20 18:43
歌音は、そんな美羽に認められる人になりたい。
しかし、美羽は歌音を何となく信用していない……そんな感情が流れ込んでくる。食べているミルクレープの味とミルクティーの味なんてどうでもよくなってきた。
2017/06/20 18:47
あれこれ話をしていると、三人の同い年ぐらいの女子に見下ろされているのが分かった。悪意を感じる……。誰に対する悪意なのか……。
2017/06/20 18:49
一人の女子がからかうかのように話し始める。
2017/06/20 18:50
あら? 入野さんじゃないの? コンクール入賞できた?
2017/06/20 18:52
どうせ入野さんの事だし無理に決まってるわ。天才と持て囃されていたけど所詮はただの凡人ね
2017/06/20 18:52
どうせあなたを友達だと思ってくれる人なんていないのよ
2017/06/20 18:54
お前ら、黙って聞いていれば美羽の事馬鹿にしやがって!!
2017/06/20 18:54
あなたは黙っていてくださいな!! あたしたちは、入野さんに用事なんだから!! ……っても事実言われたら言葉もでないか……。ざまぁ(笑)
2017/06/20 18:55
女は、美羽の事をバカにするだけバカにして高らかに笑っている。周りの女たちもクスクス笑っているのが見える……。本当に見ていて気分が悪い……。
2017/06/20 18:56
じゃあ、入野さん。誰か友達になってくれるといいね♪ そんなバカなやついないけど(笑)
2017/06/20 19:00
女たちは、一人の親分肌の人について店を出ていった。
本当にあいつらは何だったんだ?! 歌音たちのティータイムを邪魔した罪は重いぞ!! 美羽は黙ったままだったが、女たちが立ち去ってから初めて言葉を発した。
2017/06/20 19:01
あの人たちは、中学校で一緒やった同級生やの♪ みんな、あたしがプロだからすごいって寄ってきたけど……コンクールで入賞を逃したら一気に離れていったんよ……。だから、あたしは友達なんて信用できんのよ♪
2017/06/20 19:03
何故、言い返さないよ!!
2017/06/20 19:05
そうだぞ!! お前、バカにされてた自覚あるんか?
2017/06/20 19:06
嫌やなぁ……圭くん。バカにされてた事ぐらいはわかるんよ♪ でも、全て事実やから言い返されへんのよ♪ あたしが本気を出したら、スランプになったときみんな離れていく……。そんな気がするんよ♪
2017/06/20 19:07
そんなことない。私は、美羽ちゃんの味方だから……
2017/06/20 19:09
その言葉は信用でけへんわ♪ みんなそう言っておいて離れていったんやから……。歌音ちゃんは、あたしを見捨てないでほしいわ♪あまり信用はしてへんけど……期待はしてるんよ♪
2017/06/20 19:25
美羽の真意が分からないけどこのままだといけない。歌音は、そんな気がしたのであった。
2017/06/20 19:27