囚われの蝶と籠の中の鳥①
文字数 1,317文字
さすがの歌音も今回の事は悪かった、と思っている。相手の事を考えずに勝負に乗っかった事だし……。
里紗は、歌音の事を厳しい視線で睨み付けているのが分かり、歌音はビクッとした。
里紗は、顔を真っ赤にさせたまま下を向いてしまった。そのまま、沈黙……。
気まずい空気が漂う中、その空気を破ったのは、昴であった。
しかし、その思考もだんだんと揺らぎ始めている。囚われの蝶は、失って初めて気づかされるとんでもない存在にまだ気がついてはいない。
昴は、早速譜面のコピーをとるため、職員室に向かっていった。
そして、里紗が不機嫌そうに口を開く。
残された圭と歌音は、ガッツポーズをし、今回の作戦の成功を目指して頑張るのであった。
囚われの蝶と籠の中の鳥……それを救えるのはまだ少し先の話……。