ナリスとの作戦会議 その12
文字数 1,754文字
命を一日中狙われていたのは、初めてなのだ。まぁ、常々命を狙われているんだけど……。ここまで疲れたのは初めてだ。
歌音は、ふかふかのベッドの上に寝転がった。このまますぐに寝てしまいたい……。
しかし、歌音にはやるべきことがまだ残されている。
喋るくまのぬいぐるみ=ナリス、に今日の報告・相談・連絡を済ませる必要があるのだから……。怠い身体を動かし、ナリスに向き合う。
こんなこと、今までになかったはずなのに……。もしかして、また体調不良?
歌音は、あの時圭にしたことを思いだし、ベッド上でナリスの前で悶絶する。
朝、机の中に陰湿ないじめかのようにカッターナイフの刃が仕組まれていた。それによって、私は怪我をした。香菜から、歌音を復讐の力で殺してしまうかもしれない、と告げられた。香菜は、復讐なんてしたくない、と歌音に言ってくれた……。これが、今日の記憶だ。
この後は、嫌がらせも何もなかった。
今回は、都合がいい。巻き込まれるのは歌音だけ、だからだ。死に方なんてミンチじゃなければ何でもいい。
それを覆すのが、歌音なのだからだ。