氷の涙③
文字数 1,980文字
でも、これは圭や結愛の為。クラスメイトたちに全てを悟られないようにする為だった。
あの日までは、みんな普通の人だった。僕を含め、みんな普通の一般の人だった。あの事件が起こるまでは……。
僕は、目元に溜まっていた涙を拭い、再び立ち上がった。もう泣いていられない。ここまで言われて泣いているのは許されない。僕は、何とか焔の間をすり抜け、明里の手首を掴んだ。
これは、未来の仮定でそれがどうなるのかは分かりきったことではない。
しかし、未来が破滅に導かれるのなら、僕は黙って見ている訳にはいかない。
だから、僕は一つの提案を導き出した。
しかし、明里は本気で声の主に飛びかかろうとしている。
しかし、色々と僕が対処する前に事態は大きく動いていた。
明里が本気になったらどうしてくれようか……。もう色々と手遅れなんだけどね……。