合同演奏会 夜の部①
文字数 1,899文字
一人の男は今か今かと会場の幕が開くのを待ちわびている。
司会者の女性が口を開いた。
負け犬達には、それなりの命の制裁が必要なんだとあの人が言っていた。高山 理世様の為に全てを遂行する。そして、これからを担う我らの財団の為に。
だから、「学べ……そうでなければ去れ」
そして、この世界は我々が支配するのだ。再び過去の世界対戦と同じような戦争を繰り返すのだ。
全国吹奏楽コンクールで創英学園高等学校吹奏楽部の戦力を本気で削ろうとしてきた古株。そして、後三校も今後創英学園高等学校吹奏楽部に台頭してくるような楽団になりかねない。「jewel」には、松本 雄也がいるし、「グリム」には、相川 奏斗がいる。もう一つの楽団には名前がまだない。しかし、この楽団も白川 悠と鈴鹿 歌音を筆頭に勢力をあげてくる……。これは、我々しか分からない未来の話だ。
さぁ、夜十時が待ち遠しい。全ての始まりまで、後二時間。