忠告
文字数 1,404文字
「君の名は。」コレクションの最初のオープニング「夢灯籠」を合奏中のことだった。
いつものように圭がトランペットのソロを吹き上げる。
この音楽は、情熱的に……ではないんだけど異様に情熱的に吹き上げてきた。……どうしたものか……。
最近、何となくそう思っているだけなのかな?
音が聞こえづらい……。
フルートの刻みの音がきつく鳴り響いている。
歌音は、いったん指揮を止めることにした。
これがうまくいかなかったら、休憩二十分とるしかないと思っている。
歌音は、指揮棒は持たず、パーカッションにあわせてもらおうと思った。
やっぱり情熱的だ。
八小節後からユーフォニアムのソロ八小節が始まる。
……やっぱり、ユーフォニアムのソロの音が小さい……。
それに変わってフルートの刻みがきつい……。どうしたものだろうか……。
歌音は、再び指揮を止めた。
歌音は、双葉を引き連れて音楽準備室にやって来た。目の前には、相馬先生と柏原先生がスコアの製本作業を行っており、歌音と双葉が入ったことによって二人はビックリしているようだが、すぐに二人は私と双葉に向き直り、相馬先生が話を切り出したのである。