わたしの存在意義 中編②
文字数 2,024文字
翌日のお昼過ぎに目を覚まし、色々な検査を受けたが、全ての値は正常な範囲だったこともあり、退院も明後日に決まったらしい。
特に聖セリーヌ学園高等学校吹奏楽部の音色は、個々の音楽が宝石の粒だと思ってしまった。
本当に悠くんがいないチームは、幽霊のように宙に浮いた状態で、基盤なんて最初から存在しなかったかのようだ。
何となく誰なのかは分かってしまう。
シトラスのコロンの香りをさせている女性なんてこの人しか思い浮かばない。
この世界は、表と裏が同じ。失うことを恐れては前に進む事は出来ない。私たちは、このまま留まり続けることしか出来ないだろう。その物語は、裏切り者として後生に引き継がれる事にもなる。
それだけは避けないといけない。私たちの為にも、昔の偉人たちが起こした革命のように何とかしなければならない。
私たちは、この先どうなるのだろうか。