歌音と昴は、扉に体当たりを試みると扉はいとも簡単に壊れた。
2018/02/11 18:55
やった!! これで帰れる!!
2018/02/11 18:56
待って!! これは何なの?!
2018/02/11 18:56
歌音たちの前にいたのは、得体も知れない音符型をした黒く渦巻く存在であった。本当にワケわからない。ここに来てから現実離れした事が起きている。悠の能力が封じられ、昴の能力も通用しない。歌音の能力もあまり役に立つわけではない。
得体も知れないものに歌音たちは、戦慄を覚える。
2018/02/11 18:57
攻撃はしてこない。嫌な予感しかしない。こういう時は、いきなりとんでもない事が起きるのが分かりきっている。
2018/02/11 19:06
これは、敵ですね
2018/02/11 19:08
何て言う敵なの?! 私たちに勝機はあるの?
2018/02/11 19:08
『不協和音』って名前の敵ですね。音楽家にとっては一番の敵です!!
2018/02/11 19:09
『不協和音』って音のピッチが合っていない時に起こるあれ?!
2018/02/12 00:12
似て非なるものです!! あいつらは、僕たち音楽家の耳や頭を可笑しくして、精神までも乗っとる厄介な敵です!!
2018/02/12 00:13
しかも、あんなに一杯相手に出来るの?
2018/02/12 00:14
はっきり言って無理です!!
2018/02/12 00:25
次の瞬間、不協和音たちが一斉に攻撃を仕掛けてきたのだ。
2018/02/12 00:26
うわっ、耳が……可笑しく……なりそう……
2018/02/12 00:31
き……気持ち悪い……
2018/02/12 00:32
激しい金属音と黒板をかきむしるような音色に三人は、耳を押さえ、悶絶することしか出来ない。耳が痛い。頭が痛い。心が苦しい。
2018/02/12 00:33
こ……こんなところで……負けてたまるものですか!?
2018/02/12 00:35
バンッ、と悠の魔法銃から氷の塊が発射され、不協和音に当たる。
すると、氷付けにされ、最終的には粉々に砕け散り、粉砕した。その場に黒い靄だけ残して……
2018/02/12 00:36
うっ……歌音さんと昴くんは先に行って下さい!!
2018/02/12 00:38
ッ!! でも、悠くんはどうするの?!
2018/02/12 00:39
ここは、僕がひきつけます!! だから、先に逃げた方が良いです!! 共倒れなんて死亡フラグですよ!!
2018/02/12 00:40
ねぇ、どうして悠くんは一人で何でもしようとするの?
2018/02/12 12:40
それは、僕が全ての事件を知っているからです……。知らない人は知らないままの方が良いです。この世界の秘密を知ったとき、発狂しそうになりますから……
2018/02/12 12:41
俺だって知ってる。前の周回の記憶が途中まである。だから、悠くんに全てを任せることは出来ないよ!!
2018/02/12 12:45
私もお兄ちゃんから全て教えられているの。だから、私も一緒に戦うわ!! 戦わないと前と同じ過ちを犯してしまいそうで怖いの……
2018/02/12 12:47
歌音の言葉に悠は頭を捻る。手伝ってもらうことに抵抗を感じるのかもしれない。ここで退いてしまってはいけない。退いてしまったら再び惨劇が繰り返される。大事な仲間を失ってしまう。
牢屋の出入口付近で犇めく不協和音たちは、臨戦態勢でこちらに迫ってくるのを悠は確認する。
2018/02/12 12:48
わかりました……。その心得受け入れましょう
2018/02/12 12:52
ありがとう、悠くん!! さすが、リーダー!!
2018/02/12 12:52
あの……私と昴くんは何をしたら良いの?
2018/02/12 12:53
とにかく、自分が使う魔法道具を召喚してください。戦うには武器が必要です。さぁ、早くしてください!! その間の時間稼ぎはしますから!!
2018/02/12 12:54
歌音は、自分の武器が何か念じてみることにする。昴は、短刀を導き出すことに成功していた。
2018/02/12 12:55
これは、確か俺の武器……『雪月花』だったような……。もう何年も使っていなかったから忘れていたなぁ
2018/02/12 12:57
歌音さん、早くしてください!!
2018/02/12 12:59
悠くん、今から助太刀します!!
2018/02/12 13:00
昴は、素早く不協和音の懐に入り込み、『雪月花』で不協和音を切り裂いた。黒い靄が牢屋前と廊下に広がっていく。まだまだ敵の量は多い。不協和音が集まる廊下は、不協和音の出す靄に支配されつつある。
2018/02/12 13:00
何か二人を助けられるもの……。私は正面から戦うだけの力がない。だから、二人をサポート出来るもの……
2018/02/12 13:03
どんだけ切っても増えてる!! 本体はどこにいるんだろう……
2018/02/12 13:05
それが分かればここまで苦労しません!!
2018/02/12 13:06
不協和音の弱点は、カラフルな音色……。私が目指すもの……
2018/02/12 13:06
歌音さん!! 早くしてください!! このままだとThe end です!! 死亡フラグです!!
2018/02/12 13:08
ごめん……何が私に向いている武器が分からなくて……
2018/02/12 13:09
アコーディオンかピアノ召喚したら良いじゃないですか!! 歌音さん、指揮者ですよね? それしか方法がないと思うんですけど……
2018/02/12 13:11
その手があった。歌音は急いで武器を考え出す。すると、肩にかかっていたのは、おもちゃのピアノであった。
何か恥ずかしいけどもうそれどころではない。完全に押しきられそうになっている。不協和音と刀のぶつかり合い、銃声が聞こえてくる。不協和音には、あまり効果がないようだ。不協和音の数も増える一方。歌音たちの戦況は圧倒的に不利であった。
2018/02/12 13:12
歌音は、おもちゃのピアノの鍵盤に指を触れる。綺麗な和音が響き渡る。
その時、異様な光景を目にした。ピアノの音だけで不協和音たちの動きが鈍ったのだ。それを悠と昴も見逃さなかった。
2018/02/12 13:17
敵の動きが鈍ったので今です!! 今のうちに殲滅してしまいましょう!!
2018/02/12 14:37
り……了解しました!!
2018/02/12 14:38
歌音さんは、演奏をやめないでください!! 曲はお任せします!! 僕たちが戦っている間は演奏を続けてください。歌音さんは、圭の大事な人です。命がけで守ります!!
2018/02/12 14:39
歌音は、何分演奏するか分からないが、この曲を演奏することにした。
2018/02/12 14:40
こ……この曲は……
2018/02/12 14:41
パガニーニの超絶技巧……
2018/02/12 14:47
悠と昴は、怯み後ろへ後退していく不協和音に向かって進攻を始めたのである。
パガニーニの超絶技巧『ラ・カンパネラ』のメロディーにのせて……。
2018/02/12 14:47