嫉妬の花
文字数 1,461文字
もちろん、パートナー制度を破って白川結愛とは行動していない。
柏原先生と相馬先生にバレるのは時間の問題だった。
勝己は、一人でトボトボ歩いて寮まで戻ろうとしていると、黒スーツを着た男の人に話しかけられた。
一体、何だったんだろうか……。
それにしても紳士な男の人だったなぁ……。あれぐらい存在感があれば勝己も納得がいくのになぁ……。
でも、何となく勇気が湧いてくる。男の言ったことが正しいのだろうか……。よく分からないが今から帰ろう。ご飯の時間が近い……。
勝己は、急ぎ足で寮に戻るのであった。
この時は、勝己も有頂天で何も気がついていなかった。
これからもたらされる勝己の変化は、回りを巻き込むことになるとは気がついていなかった。
これで、勝己の存在感が薄いライフは終了だからな!!
その代わり、時々出てくるどす黒い感情に悩まされるようになったのだ。結愛を誰にも渡したくない……、という感情……。
悠と圭にどす黒い感情を覚えていた。兄妹であれど勝己は、あいつらに結愛を渡したくない。
彼女の時間は、勝己のためにあるのだと思い始めていた。このどす黒い感情を知っていたら誰か教えてくれ……。勝己が止められなくなる前に……。