ナリスとの作戦会議 その18
文字数 2,074文字
この声は、昴と詩織だ。まだ、歌音に心を開いていない二人である以上、歌音はナリスの秘密を貫き通そうと声を潜めてナリスに問いかけたのである。
それを見たナリスはシャドーボクシングの練習らしき事をしているのも分かる。相当な殺意までを感じてしまった。確か、同じクラスにトロンボーンパートの勝浦 真理亜ちゃんがいたはず……。勝浦 正樹との関係性を聞くチャンスになるのかもしれない。一度今度聞いてみよう、と歌音は心に決めるのであった。
ナリスは、あることに気がつき、歌音の耳元で声を潜めて話しかけた。
その直後、歌音のベッドに近づく一つの影があった。同室の明里だった。明里は、ナリスを抱き上げ、歌音のように話しかけ始めたのだ。
恐怖から解放されたナリスは、大きなため息をついたのは、この部屋の誰もが気がつかなかったのであった。
明日で四日目。そろそろ聡太を救うための音楽の作成も終盤にさしかかる。