失意
文字数 1,944文字
まもなくマスコミやら警察やら救急隊やら現れ、現場は混乱と狂気に満ち溢れたらしい。その中で集団パニックが発生し、怪我人と体調不良を増やしてしまった。そのニュースは、速報として全国のテレビやネットに拡散していき、人々はあることないことを口にしていき、救護室にいた人を全員犯人呼ばわりしたり、高山 理世推しの人々は、「高山 里紗と明石 昴が犯人だ」と口を揃えて言い始めた。「聖セリーヌ学園高等学校吹奏楽部の副部長にして参謀の伊勢崎 駿が犯人だ」と口を揃えて言う人もいた。救護室にいた人たちは、後日事情聴取を受ける事になり、里紗と昴、駿くんは、事情聴取の為警察に連行されてしまった。圧迫的な感じで引きずって行かれた時の事を思うと何か腹が立ってきた。
その結果、四校側の死者一名、重体三名(教師含む)、重傷者七名、軽傷者百五名(自分含む)出してしまった。観客側も骨折や打撲、体調不良等を訴え、病院に搬送される人が多かった。
今はそれも不可能だった。
パニックになった人間は、何をやるかなんて知ったことじゃない。酷い場合を思い返してみると吐き気を覚える。
見事に奏斗くんはそれを見破っていた。
それは、「私とお兄ちゃんには血の繋がりが一切無いこと」