夢の中の心強き侵入者
文字数 2,174文字
歌音は、眠りに落ちたと同時に、詩織に夢世界に誘われたのだ。それに気がついたのは、この世界に来てからすぐなのであった。
しかし、歌音は詩織の音には迷いを感じていた。「マナティー・リリック序曲」「三日月の舞」「はとポッポの世界旅行」のチューバパートの音は、迷いを感じるちっぽけな音になってしまっていることに歌音は気がついていたのであった。
だから、今回は聡太を救うために詩織の言うことに従うようにしよう。
詩織は、歌音に待ったをかけてきたのだ。
好きでもない人?、とキスだなんて間違っている……。歌音は、反論の意見を言うために口を開いた。
今は、朝の六時半だ。だんだんと日が登り、外が明るくなり始めた所だった。
可笑しな夢を見た。詩織が夢の中で聡太にキスする、と宣言したのともうすぐ死ぬかもしれない、と残した夢。
今宵の夢が覚め、また新しい一日が始まるのであった。