作戦会議
文字数 2,421文字
もちろん、圭と悠が喧嘩した原因なんて歌音にもあること、明里にもあることなんて分かりきった話であるからだ。
昴は、悠の事で隠している事があるみたいだ。歌音は、昴の方を見る。それに気がついた昴はすぐに歌音から視線をずらした。
悠が奴らと接触しない確率なんて相当低い。こんだけウジャウジャ人がいるマンモス芸術学園である「ミラージュ音楽学園」にも「アネモネ財団」の魔の手が迫っているのも確かだ。
だけど、何も思い付かない。
結局、意見を出せなかったので話し合いはお開きとなったのであった。
すると、歌音の座っているソファーの前には明里が少しイライラした様子で立っていた。
掌は、確か『懇願』だった。もしかすると悠はきっちりとした愛情を懇願しているのかもしれない。
もうすぐ冬がやってくる。木の葉を散らす冷たい風が吹いた。