ナズナの花に思いを乗せて
文字数 1,502文字
このまま恵都の告白を続けることにしよう。
恵都は拡声器を使い、ひたすら丘の上から愛を叫び続けた。歌音や圭は、ここまでしたことないだろう?圭もやってみろよ……。すごく恥ずかしいんだよ!!!!
そう思っていた時、急に空から花びらが降ってきた。白や青の花びら……これは、ナズナだ。ナズナは、冬の七草の一つだと思われる。こんな季節に咲くはずがない。
恵都が、もう一回叫ぼうとしたが、背中に柔らかい衝撃があり、恵都の声は出せなくなった。
この優しい温もりは……。
そして、恵都にこう言った。
今日から朝倉さんは辞めて、美園ちゃんと呼ばせてもらおう。
彼女は怒らない、と思う。きっとそうだ。