アンサンブル解散危機?!
文字数 1,965文字
次のホルンのメロディーは、トランペットが大きな音量で掻き消した。
これじゃあ、ダメだな。圭も頭を抱えている。相当なダメージだ。
ホルンのメロディーがくる度々、トランペットが音量を大きくして掻き消していた。
最後の音が弾け終わりを迎えた。相馬先生以外は、ぱっとしない表情をしている。
一成とその他3人は、黙っている。言い返せないのであろう……。
相馬先生の逆ギレって……教師が逆ギレはダメでしょ……。
ヤバい……相当キレてる。
……。これは、ガチでキレてる。昔もそうだった。
歌音が、同級生から苛められたのを見たときと同じ表情……。怖い。
一成は、追いかけようとはしない。いつもなら追いかけているのに……。
相馬先生の音の持ち味なら混ざると良い感じになる。圭とは、また別の華やかで強い感じが……。
しかしその日、相馬先生は自宅に帰ってこなかったらしい。嫌な予感しかしない……。ボロボロになって地面に座り込んでしまったシスターが、門の前にいるのは分かった。何と戦っているのかは本人と神のみが知っているのであった……。