悲しい雨
文字数 1,244文字
雨の中、圭が歌音に手をかける……そんな夢……。もしかすると、前回の周回の記憶なのかもしれない。
圭が、こんなにダークな夢を見てしまってはいけない。歌音に影響が出てしまう。
雨は悲しい。
ただヒタヒタと降る感じとジメジメした空気……空虚ない場所に取り残される気分……。今のクラスメイトたちと一緒かもしれない。
歌音に心を開いた人たちは、元気に音楽を奏でているが、そうでない人はこの悲しい雨と同じなのかもしれない。
再び歌音が目を覚ます。まだ少し顔が赤いが、さっきよりはマシになったのかな?
今、何時だ?
圭は、いつの間にか寝落ちしていた。歌音は、まだ寝ている。歌音の額に手を触れてみる。良かった……昨日よりは、熱が下がっているみたいだ。スマートフォンで時間の確認をする。朝の6時30分……。いつも起きている時間だ……。
まだピタピタと水滴の落ちる音が聞こえている。今日も雨かよ……。