雷鳴
文字数 1,509文字
すぐに大粒の雨は、滝のように降り注ぐ大雨となった。傘なんて使い物にならない。
歌音たち五人は、レインコートを羽織り、傘をさした。風も強く前に進むのもやっとだ。
途中でビニール傘も折れてしまい、使い物にならなくなってしまう。何なんだ……この嵐は……。
そういえば、今日の夜から明後日の朝にかけて台風が来るとか言っていたような……。こんな時に被らないで欲しい……。さすがは……繰り返される世界……。ループしても台風とは……。本当についていない気がする。
歌音と圭が進んだ道は崖などが多い山岳地帯だった。少し進むと崖が崩れた痕などが見られる。この大雨で崩れたのだろう。
それより歌音たち危ないことしてるよね? 絶対死亡フラグが立つようなことをしている。
悠と明里は、森林地帯に進んだのであろう。この差は一体何なんだろうか……。
今のは、死亡フラグなのか? いや、多分違う……。違って欲しい……。
その前に落ちている靴とカチューシャ……。まさか!! 圭が下を見るも暗くて何もわからない。
一応、悠と明里に連絡を入れようとする。スマートフォンの電波が悪いのかなかなかチャットが開かないし、相手に呟きが届かない。最悪の事態だ。
歌音たちは、ひたすら結愛と勝己の名前を呼び続ける……。返事はない。
でも、まだ四月に戻っていない。だから、二人とも生きている。
歌音と圭はひたすら二人の名前を呼んだが、返ってくるのは山びこばかりでそれに対する返事は返ってこなかったのである。
嵐の始まりを告げる合図が鳴り響いていた。