戦乙女の波乱
文字数 1,621文字
いきなり吐き気が込み上げてくる……。完全な殺意……。気分が悪い……。このままだと美羽と夕陽が危ない。
あなたは美しいが冷淡すぎる……。
美羽には青や青紫の紫陽花の花言葉は似合わない。ピンクの紫陽花の花言葉、元気な女性、が似合う。だから、今は美羽の小さな勇気を邪魔しないであげて……。
女の手元を見る。手に握られたサバイバルナイフ……。この女、死亡フラグを立てにきた!? 女が走り出したことに美羽は気がついていない。先に気がついたのは、歌音と夕陽だった。
夕陽は、無表情のまま手元に弓矢を召喚させる。弓を構え、矢を女のナイフに狙いを定めて糸が軋むほど矢をひく。
美羽もようやく気がついたが、手遅れだ。女が先か夕陽が先か……。
夕陽の放った弓は、女の手元のナイフに当たり、女はナイフを落とした。
歌音は、そんな二人の幸せな光景をまじまじと見つめるのであった。