ぶっきらぼうな心の叫び
文字数 2,430文字
やっぱりこの人にも何かあるんだろう。
明らかに怪しい人か変態と思われただろう。彼から再び話しかけられた。
これで少しでも情報が集まりやすくなる。
歌音は、元々気が弱いが、負けず嫌いでもある。
だから、白川圭……覚悟していてね、と心の中で言ったのであった。
とにかく最初の合奏までに完璧にしてやらないとね。
まあ、確かに不満でしょうね……。いきなり見知らぬ人で今日いきなり男女ペアを組まされる……。もっと言ってやれ、白川結愛。あなたにかかっているんだ!!
教科書や最初の合奏で使う譜面を配られ、今日はお開きになった。もちろん、下校はペア同士で……とのこと。
一成と帰るつもりだったのに……。
しかし、里紗は何かを隠しているのか……心を閉ざしている。里紗は、歌音を友達だと思っているのかますます分からなくなった。
だから、普段でも必死に堪えているのだ。隠している必要がある。
完全に巻き込まれた。損な役回りだ……。
男二十人対圭と歌音。完全に負けるよ……これ。マジヘルプ。心の中で一成に助けを求めたのは、他でもない事実だ。