選抜メンバー
文字数 1,115文字
今日から六月になった。
空は、相変わらずの曇天の空……。
そんな放課後、悠に呼ばれた歌音は、談話室に向かった。昨日の事は、今でも覚えている。病んだような男の表情……殺意だけの狂気の感情……。思い出すだけで気分が悪い……。談話室の扉を開けると七人の生徒が集められていた。車椅子に座っている里紗・その隣でお煎餅を食べている昴・お茶をすすっている圭・窓際で腕を組んで佇んでいる悠・ソファーに寝そべっている巧・チョコレートを食べている奏多・窓の外を見ている明里がいた。
これが、悠の選んだ選抜メンバー……。ちょっと奇抜なメンバー……。誰がどの能力を持っているかは分からないけど悠からすると選抜すべきメンバーだったのだろう。
悠が振り返り、歌音を見つめる。
すると、どこかの倉庫の内部が写し出される。
暗い倉庫の中に縛られた女性がぐったりしているのが分かる。
しかし、途中で何者かの妨害が入り、奏多の千里眼が途切れてしまう。
それなら、歌音たちが動いてもいいよね?
圭と一緒にビニール傘を持ち、曇り空のミラージュシティを駆け抜けるのであった。