悠の困惑
文字数 2,296文字
如何わしい感じのピンクがモチーフのホテルに圭が歌音を無理やり連れ込んだのだから、この二人も黙ってはいられなかった。
それに対して明里は面白くない。
それを早速悠に伝えることにする。
しかし、悠は「無」だ。何も考えることが出来ない。本当の事を言えば、あのホテルは、卑猥な予感しかしてこない。
明里は、いつからこんなにも変態になったのだろうか……、と悠が考えていると明里が悠の手首を掴んだ。
その行動に悠は焦りを感じとる。
ベッドの上には、「大人のおもちゃ」と称されるものがいくつも置かれており、明里はそれを手に取り、まじまじと見つめていた。
悠はその事を知っている。今の明里はとても危険人物だ。悠が明里に持たされた赤い円柱の物体を手渡しされ、持たされてから嫌な予感しかしていない。
明里は、笑顔で円柱の物体の名前を言うため口を開いた。
しかし、明里の飛びつきの勢いに負けた悠は、そのまま明里に押し倒され、ベッドに逆戻りすることになってしまった。
その時だった。隣の部屋から大きな物音が聞こえ、明里の力が弱まった。それを見た悠は明里を逆に押し倒した。
一瞬過ぎて分からない位だったが、それは悠にとってはダイレクトな精神攻撃になったのかしばらく悶絶することになる。
それを見た明里は、不機嫌な表情から一気に上機嫌に戻ったのはほかでもない。