恋の呪い
文字数 1,628文字
しかも、見せつけるように手を繋いで逃げる二人は、まるで恋人のようだった。羨ましい……。
美園は、こうやって恵都に怒られ、寮を飛び出したのであった。すごく泣きそう……。
町行くリア充たちは、皆羨ましい……。美園もあれぐらいのことをしてみたい。恋がしたい……。
更に惨めな気持ちになって涙が溢れてくる。
美園は立ち上がり、男性の顔を見た。何て整った容姿……。美園は、男性をまじまじと見つめる。
すると、男性がまた説明を始めた。
気がついた時には、男性の姿はなかった。手元にあった一輪のクロユリもどこかに消えている。一体、何だったんだろうか?
美園は、この時気がついていなかった。美園の身に起きている異変に……。
あれこれ考えていくうちに考えが纏まらなくなって叫びたくなってきた。
美園は怖くなって、寮まで走って戻るのであった。
美園が……本当の自分でなくなりそうだ……、と呟く。
目の前はずっと真っ赤に染まっていて、どうしようもなく身体が熱く感じる。考えてしまうのは、恵都のことばかりだ。
あたしに近づかないで……、あなたの事を壊してしまいそうだから……、と美園は心の中で呟くのだった。
美園は、部屋から飛び出し、外に走り去ったのであった。
同じ部屋の香菜は、眠りについていた。
美園は、一体何をしていたのだろう……、と思う。
美園は、どうしたら良いの?、と小さく呟いたのであった。